保育園のフランチャイズ経営で失敗しないために|失敗の要因と対策を解説

これから保育園経営を行うことを検討している方には、フランチャイズで経営するという方法があります。実際にフランチャイズ経営を行う際には、失敗をしないよう事前にさまざまな事項についてよく考える必要があります。
また、フランチャイズ契約は、本部との関係性や契約内容をしっかりと把握することが重要となります。
この記事では、フランチャイズ経営のメリット・デメリットや、注意点などについて詳しく解説します。フランチャイズで保育園を経営したいと考えている方は、経営を成功へと導くためぜひこの記事をお役立てください。

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フランチャイズとは?

フランチャイズとは、フランチャイズ本部と加盟店が商品の販売権・使用権に関する契約を結び、ビジネスを行う仕組みです。加盟店は、本部にロイヤリティを支払うことで、本部が培ってきたブランドやサービス知識、ノウハウを得ることができます。
そのため、経営経験や業界経験がなくてもビジネスを始められます。

ロイヤリティとは?

ロイヤリティとは、フランチャイズの加盟店が本部に支払うお金を指します。
本部が持つ、経営のノウハウやサービス提供マニュアルを使用したり、本部からの運営サポートを受けたりする対価として支払うものです。金額や支払いスパンは本部によって設定されています。

保育園のフランチャイズ開園までの流れ

1. 問い合わせ/ヒアリング
加盟希望のフランチャイズ本部へ問い合わせをします。フランチャイズの制度説明を受けたり、ヒアリングを受けたりした上で、本部の方針が自分の希望する保育園の形にマッチするか検討します。

2. 加盟契約
検討の結果、この本部とフランチャイズで保育園を開業することが決定したら、本部との契約を交わします。ここで、事業計画や運営など、保育園の開業に係るノウハウを学びます。

3. 保育施設決定
保育園の開設地を検討します。エリアや物件探し、施設内の部屋割りについてもフランチャイズ本部からアドバイスをもらうことができますので非常に心強いです。物件が決定したら、契約を交わします。

4. 行政への届け出や各種手続き
保育園を開設するにあたっては、自治体への届け出が必要となります。届け出に係る書類作成や手続きについてもフランチャイズ本部から支援を受けることができます。本部によっては各種手続きを代行してくれることもあります。

5. 園長(オーナー)研修
保育園の運営に必要なノウハウや、保育実習などの指導を受けます。

6. 保育士・職員の募集と研修
保育士・職員募集の広告を出し、面接を行います。人員の確保ができたら、マニュアルをもとに保育指導・運営指導を行います。

7. 園児募集
園児募集広告を出します。その後、見学会や面接を行って園児数を確保します。

8. 開園
保育に必要な備品の手配をするなど、すべての準備が完了するといよいよ開園となります。
開園後もフランチャイズ本部からは定期的なサポートや研修が受けられます。
また、不明点があればいつでも相談してアドバイスを受けられますので、安心して運営することができます。

保育園のフランチャイズ経営のメリット

保育園のフランチャイズ経営のメリットについて下記で解説します。

スムーズに開業できる

保育園開設エリアの検討や、物件契約、自治体への届け出、業態によっては補助金申請など、開業までにはさまざまな手続きが必要となり、その他の準備と並行して個人で手続きを行うのは容易ではありません。フランチャイズでの開業であれば、本部にてスムーズな開業をサポートしてくれます。本部によっては、各種手続きを代行してくれることもあります。

サポートがある

開業までの間だけでなく、開業後にもフランチャイズ本部からのサポートを受けることができます。安定した保育園運営を続けられるよう、資金調達・会計の相談や保育士の採用・育成、定期的な研修など多岐にわたるサポートを受けられます。不安材料を個人で抱える必要がなくなりますので、保育事業に集中することができます。

ブランド力や知名度がある

保育園を経営する上で重要なのが園児の募集と保育士・職員の確保です。フランチャイズでは、本部のブランド力や知名度を武器に宣伝できるため、広告費を抑えて園児・人材を募集することができます。また、本部のブランド力・知名度が子どもを預ける保護者に安心感を与えるため、より園児の募集がしやすくなります。

保育園のフランチャイズ経営のデメリット

保育園のフランチャイズ経営のデメリットについて、下記で解説します。

オリジナリティが出せない

フランチャイズでの保育園経営では本部でコンセプトを統一しているため、自分が思い描く独自の運営方針やそれにそった備品、内装などを希望どおりにすることが難しくなります。本部の意向に従う必要があり自由度が低いため、オリジナリティが出せません。より良い運営を行うにも本部に提案し了解を得なければなりません。

ロイヤリティの負担がある

フランチャイズ本部へ収益の一部を納める必要があります。ロイヤリティの金額は収益に対しての割合や、本部が定める一定の金額として決められています。定額のロイヤリティの場合は、月の収益が低いと大きな負担となってしまいます。

保育園のフランチャイズ経営で失敗する理由

保育園のフランチャイズ経営で失敗する理由について下記で解説します。

契約内容の確認不足

フランチャイズ契約にはさまざまな条件があり、違反をすると違約金が発生する内容もありますので、隅々まで確認した上で契約を交わすようにします。
よくあるトラブルとしては、「競業の禁止」条項の見落としが挙げられます。競業の禁止とは、一定期間、フランチャイズ本部と同種又は類似の事業を行うことを禁止するものです。本部との契約解除後にも効力を発揮する内容のため、注意が必要となります。

資金が不足する

開業準備や初期費用の金額、運用資金の額の見積もりが甘く、見込みよりも多くかかってしまうことで資金不足が発生します。フランチャイズ本部より資金調達に関するアドバイスは受けられますが、直接の資金援助はない場合が多いです。そのため、余裕を持って資金を準備することをおすすめします。

保育園開業に必要な資金とは

保育園の開業に必要な資金には、初期費用、当面の運営資金が挙げられます。
初期費用には、フランチャイズ加盟金や物件取得費、内装・設備費などの施設関連費用、広告宣伝費、研修費などが含まれます。数か月分の運営費用には、ロイヤリティ、人件費、光熱費などがあります。認可保育園の場合は補助金が受け取れますので、保育園の業態も加味しつつ、余裕を持って資金を準備しましょう。

競合が出現する

自分が経営する保育園の近くに別の保育園が開業するなどの理由で、園児が離れてしまい収益が落ちることがあります。より大手のフランチャイズの参入で競争に負けてしまう場合も同じことが言えます。
このとき、普段の保育の質や保護者対応のレベルが高いなど、本部の意向に沿いつつ他の保育園との差別化が図れていると失敗する確率が下がります。

本部に頼りすぎる

フランチャイズでの保育園経営を行うということは、自分が事業主になることを指します。本部との関係は上司と部下ではなく、対等なビジネスパートナーとなります。そのため、事業主としての自覚が薄いまま本部に従っていれば安心と思い込んでしまうと思わぬ事態となってしまうことがあります。本部のサポートを活用しつつ、運営の主体は自分であることを意識しましょう。

保育園のフランチャイズ経営に失敗しないためには

以下では、保育園のフランチャイズ経営に失敗しないために必要なことをポイントに分けて解説していきます。

契約書の確認を怠らない

フランチャイズ本部との加盟契約を交わす際に、契約書や関連書類の読み落としがないよう細部に至るまで確認し理解しましょう。内容を確認する中で不明な点が出てきた時は、些細なことでも契約を交わす前に本部に確認して解決しておきます。
また、契約締結を即決せず、検討期間を設けることも重要です。本部が日本フランチャイズチェーン協会会員社の場合は、契約書の説明から契約締結までに7日間の検討期間をおくことを定めています。時間をかけてしっかり熟考し、万全の状態で契約に進めるようにしましょう。

確実な資金準備を行う

保育園の開業資金には、前述したとおりさまざまな種類があります。本部との加盟契約の前に、最低でも初期費用の3割は準備しておくことが大切です。本部の中には、開業資金の半分以上の自己資金を保有していることが加盟条件となることもあります。
また、開業後数か月分の運営費用の準備も必要です。すべてのコストを見積もった上での綿密な資金計画を立てることが重要となります。

認可保育園への補助金制度

経営する保育園が認可保育園であれば、各自治体からさまざまな補助金が出ます。
保育する園児の年齢や人数に応じて毎月受け取れる補助金の他、自治体によっては保育園の開設にあたっての準備費用や開設後の運営費用、保育ICTシステムの導入費用が補助されることがあります。特に、保育ICTシステム導入費用は認可外保育園も補助の対象になりますので、積極的に活用しましょう。
以下の記事では、補助金について詳しく解説していますので、こちらもぜひご覧ください。

参考:保育園設立の補助金とは?|施設準備から運営まで段階ごとの補助金を解説

立地条件を調べる

保育園の開設場所検討はフランチャイズ本部からも支援が受けられますが、自らも調べることで立地条件のメリット・デメリットを念頭においた経営が可能となります。例えば、検討する立地の周辺に園児候補となる年代の子どもがいる家庭又はこれから子育て世代になり得る家庭があるか、交通の便、大型道路の有無や車両通行量、災害時の避難場所など、調査すべき点は幅広くあります。加えて、近隣に競合の保育園があるか確認することも重要となります。

フランチャイズ本部の選び方

以下では、フランチャイズ本部の選び方について解説します。

サポートの充実度

開業から運営まで、十分なサポートを受けられることが重要です。園長研修や保育士・職員研修など運営の根幹に係るサポートから、日々の不明点に対するアドバイスなど、開業後も随時幅広くサポートが受けられる本部がおすすめです。
また、小規模保育園や夜間保育園などさまざまな種類がある保育園ですが、保育園の種類に合わせた適切なサポートが受けられるかどうかもポイントとなります。

知名度やブランド力

フランチャイズ本部に知名度やブランド力があるかどうかも、選び方のポイントとなります。保育の一環として音楽や芸術、スポーツなど独自の取り組みを行うなどで他園と差別化したブランド力があると、園児の安定的な確保につながります。また、知名度が高いと保護者の安心感が高まり、利用のハードルがぐっと下がりますので園児数不足に陥る可能性を低く抑えられます。

補助金制度などの知識

フランチャイズ本部が保育園の補助金制度を熟知していることも本部選びのポイントとなります。認可保育園を経営する場合は自治体からさまざまな補助が受けられますので、補助金制度や申請要件、申請方法をよく把握している本部がおすすめです。
本部によっては、自治体への問い合わせや申請を代行してくれることもありますので、サポート内容をよく確認しましょう。

まとめ

今回は、保育園のフランチャイズ経営に関するメリット・デメリットや、注意点など、失敗しないためのポイントを解説してきました。
本部からのサポートを得られるとはいえ、認可・認可外を問わず、子どもたちを保育しながらその他の事務作業を行うことは他の保育園と変わりありません。事業主として保育園を経営する上で、膨大な事務作業に頭を抱えることもあることと思われます。
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