保育DXとは?メリット・デメリットと活用事例を解説!

保育DXは国も推進を行っており、保育園の先生の負担軽減や保育の質向上、保護者とのコミュニケーション強化など、多くのメリットをもたらすことが期待されています。その一方で、導入にあたっては初期投資やシステムの使いこなしなどの課題も存在します。そのため、適切な計画とサポートを伴う導入が求められます。

この記事では、保育DXについて背景やメリット・デメリット、活用事例、保育園のDX化に活用できる補助金についてご紹介します。

保育園のDX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

以下ではDXの意味と、似ている用語との違いを解説します。

DXの意味

DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)とは、企業がデジタル技術を活用して製品・サービス・ビジネスモデルそのものを変革することです。

経済産業省では、DXの定義を以下としています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

引用:経済産業省「デジタルガバナンス・コード2.0」

現状、日本の企業ではまだDXが完全に浸透してはおらず、古いシステムから脱却できない企業や、DXに取り組もうとしているものの進んでいない企業も多くあります。

そのため、政府はDXの普及促進のために様々な支援活動をおこなっています。

デジタル化、IT化、ICT化との違い

「DX化」と似ている言葉として「デジタル化」「IT化」「ICT化」があります。

デジタル化

「デジタル化」とは、アナログの情報や手法をデジタルに置き換えることです。

例えば、紙の書類をスキャンしてデータ化する、手作業で行っていた業務をデジタルツールやソフトウェアで管理するなどです。

デジタル化には、作業の効率化やコスト削減、利便性の向上などのメリットがあります。

IT化

「IT化」とは、企業や組織、個人が情報技術(Information Technology)を活用して、業務や生活の効率化、利便性の向上をはかる手法を指します。

具体的には、コンピューターやインターネット、ソフトウェア、通信技術などを利用して情報の収集・処理・保管・共有を行います。

例えば、クラウドサービスを利用してデータを管理する、特定の業務に特化したソフトウェアを導入して業務効率化させる、などです。

ICT化

「ICT化」とは、人とインターネットや人と人の間でのコミュニケーションをサポートする情報通信技術(Information and Communication Technology)を活用して、業務や生活のさまざまな部分を効率化し、便利にする手法を指します。

例えば、メール・チャット・オンライン会議システムなどを利用して情報共有をスムーズにする、オンラインショップを利用して買い物を便利にする、モバイル決済を使ってキャッシュレス化する、などです。

保育園のDX化が必要とされる背景

保育園の先生は子どもたちを保育する以外にも、様々な記録の管理や日誌作成、保護者との連絡対応などの事務作業も多く、業務の負担になっています。高い業務負荷は先生の疲弊・離職につながり、保育の質低下を引き起こします。

そのため、デジタル技術を用いて現場の業務負担を軽減するとともに、データの利活用が期待できる「保育DX」の推進が進められています。

保育園をDX化するメリット

以下では保育園のDX化により得られるメリットについて紹介します。

業務の効率化で先生の負担軽減になる

毎日の登降園記録・出欠状態・連絡帳などをデジタル化することで、手書きの手間を省き、作業時間を大幅に節約できます。

複雑な保育料計算や自治体に提出するためのデータ集計などもツールで自動化できるので、計算・集計のための作業負担も大幅に軽減できます。

また、情報を一元管理することで、必要な情報の検索・共有がより素早く簡単になります。

コミュニケーションがスムーズになる

デジタルツールを利用することで、子どもたちの各種記録や園の活動などの情報がリアルタイムに共有できます。

先生同士および先生と保護者の連携が強化されることで、出欠確認や緊急時の連絡などもスムーズになり、子どもの安全性の向上にもつながります。

先生の離職率の軽減につながる

先生の事務作業の負担を軽減すると先生の働きにゆとりがうまれ、離職率の軽減につながります。また、先生が長く働いてくれることで、園内で中長期的に活躍できる人材の育成もしやすくなります。

働きやすい環境を整えることは、保育士の職業としての魅力を向上させ、新たな人員確保も期待できます。

保育の質向上につながる

事務作業にかけていた負担が軽減されることにより、先生が子どもたちと向き合う時間がふえ、園の全体な保育の質向上につながります。

また、子どもたちの成長や活動データを分析し、個人に合った保育計画を作成しやすくなります。

コスト削減になる

各種記録をデジタル管理することで、紙の書類や印刷物を減らし、紙やプリンターインクのコスト削減になります。

また、紙の書類を保管するためのスペースも減らすことができます。

保育園がDX化するデメリット

保育園のDX化にはメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。以下では保育園のDX化におけるデメリットについて紹介します。

ITインフラ環境の整備に初期コストがかかる

保育園をDX化するためには、パソコン・タブレット・スマートフォンなどのデバイスやインターネット環境などのITインフラを整える必要があります。また、ソフトウェアや保育ICTサービスを導入する必要もあります。

初期コストがかかるので、小規模な園では負担になることがあります。
政府がICT導入のための補助金制度を用意しているので、補助金を活用した導入がおすすめです。

ツールの使い方を習得する必要がある

新しく導入したデジタルツールを効果的に利用するために、先生はツールの使い方を習得しなければならず、それが負担になることがあります。園の使い方に合わせたマニュアル作成や勉強会の実施など、追加の手間が発生する可能性もあります。

また、デジタルツールに不慣れな先生や保護者には、サポート対応が必要になる場合もあります。

パソコンに不慣れでも簡単に操作できるツールや、先生と保護者の両方をしっかりサポートしてくれるサービスを選ぶと良いでしょう。

セキュリティやプライバシーに関するリスクがある

園の情報や子どもたちの個人情報がデジタル化されることで、サイバー攻撃や個人情報の漏洩リスクがあります。

ウィルス対策ソフトの導入や、セキュリティ対策がしっかりしているサービスを選択するなど、適切なセキュリティ対策をすることをおすすめします。

また、先生や子どもたち、保護者のデータを管理・共有するにあたり、プライバシーに関する問題が発生する可能性があり、適切な取り扱いが求められます。個人情報保護法など、デジタルデータの利用に関する法律・規制を遵守する必要もあります。

個人情報の取り扱いについてガイドラインを設けるなど、準備しておくと良いでしょう。

システム障害やメンテナンスが発生する場合がある

デジタルツールを利用する際、システムの不具合・障害によりシステムを利用した運営ができない場合があります。また、定期的なシステムアップデートやメンテナンスが発生することがあります。

システムを利用できない際は手作業で対応するなど、臨時の対応方法を決めておくと良いでしょう。

保育園のDX成功事例

以下では保育ICTサービス「ウェルキッズ」を利用している園でのDX事例を紹介します。

事例①:業務の見える化で無駄な残業を減らす

えがお保育園様では、紙で書類を管理する中で、出欠簿と事務日誌などで重複している内容が多く、無駄に時間がかかっていると感じていました。そこで、無駄な作業をなくすために保育ICTサービス「ウェルキッズ」を導入しました。

先生同士でメッセージのやりとりができる掲示板機能を利用することで、情報共有がスムーズになりました。また、先生のシフト連絡や、保護者からの相談事など、業務の連絡・相談を一元管理することで、業務の見える化につながりました。

他にも、先生のシフト作成や出退勤の管理、給与計算が楽になりました。先生の勤怠情報から園の状況が見える化され、無駄な残業を減らして働きやすい形を考えることに役立っているそうです。

参考:ご利用園インタビュー:えがお保育園

事例②:登降園のICT化で先生の心理的負担がなくなった

よこはま風の遊育園様では、登降園の記録は、保護者の方に紙の表へ時刻を書いてもらっていました。書き忘れがあったり延長時間をギリギリ超えた際に考慮したりと、最終的に集計のしづらさで困っていました。そこで、保育ICTサービス「ウェルキッズ」を導入しました。

誰でもかんたんに打刻できるタッチパネル式の登降園記録システムを導入したことで、打刻の時間は厳密に記録されるようになりました。保護者側も「1分くらい良いじゃない」と考慮を求めることがなくなり、時間を意識するようになったそうです。

また、以前は手作業で1週間ほど費やしていた請求書作成についても、システムから自動で請求書を出力できるようになったことで、大幅な時短になりました。

参考:ご利用園インタビュー:よこはま風の遊育園

事例③:先生の働きやすい環境をつくる

まきば保育園様では、先生の仕事量が多く残業が増える一方の状況に悩んでいました。そこで、先生が働きやすい環境を作るひとつの方法として、保育ICTサービス「ウェルキッズ」を導入しました。

子どもたちや先生の情報がデータ化されたことで書類管理がラクになり、勤怠管理は自動化されたことで作業時間が6~7割の削減になりました。また、ICTサービスを導入したことで、先生たちの作業効率化に対する意識が高まったそうです。

他にも、子どもの情報をリアルタイムで確認できるので、出欠やお迎え時間についての連絡共有もスムーズになりました。

参考:ご利用園インタビュー:まきば保育園

保育園のDX化に活用できる補助金

政府は保育業界のDX化を推進するために、ICT導入のための補助金制度を用意しています。以下では、保育園で利用できる補助金についてご紹介します。

また、下の参考記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

参考:保育園のICTシステム導入補助金とは?対象や要件、手続きの流れまで解説

子ども家庭庁の企業主導型保育事業費補助金

企業主導型保育事業費補助金に「運営支援システム導入加算」が新設され、施設における業務のICT化を推進することにより、保育士の業務負担の軽減を図ることを目的とした運営支援システムの導入費用等が助成対象となります。

  • 対象施設:
    企業主導型保育施設(中小企業事業主が設置する事業所に限る)
  • 加算額:
    1施設当たり最大100万円
  • 助成対象:
    ・保育業務支援システムの導入に必要なソフトウェア等の購入費、初期費用、導入に係る工事費、及びその消費税
    ・当該システムの導入にあたり最低限必要となる備品購入費
  • 助成要件:
    a)保育に関する計画・記録に関する機能
    b)園児の登園及び降園の管理に関する機能
    c)保護者との連絡に関する機能

子ども家庭庁の保育所等におけるICT化推進事業補助金

保育所等における業務のICT化を推進することで保育士の業務負担の軽減を図り、保育士が働きやすい環境を整備することを目的とした事業です。

※交付要綱は市町村ごとに異なります。本事業の実施有無・時期や詳細の交付要綱は各市町村にご確認いただくようお願いします。

  • 対象施設:
    保育所、幼保連携型認定こども園及び地域型保育事業の各事業(居宅訪問型保育事業を除く)
  • 補助額:
    1施設当たり最大130万円
  • 負担割合:
    総事業費の3/4(国:1/2、市区町村:1/4、事業者:1/4)
    ※協議会設置等の場合(国:2/3、市区町村:1/12、事業者:1/4)
  • 対象経費:
    保育業務支援システムの導入のために必要なソフトウェア等の購入費、リース料、保守料、工事費、通信費及びその消費税
  • 補助要件:
    ① 保育に関する計画・記録
    ② 保護者との連絡
    ③ 子どもの登降園管理等の業務
    ④ 実費徴収等のキャッシュレス決済の導入

    なお、上記のうち必要な機能のみを選択して導入する場合も補助対象となります。

    1機能の場合・・・1施設当たり 20万円(併せて端末購入等を行う場合: 70万円)
    2機能の場合・・・1施設当たり 40万円(併せて端末購入等を行う場合: 90万円)
    3機能の場合・・・1施設当たり 60万円(併せて端末購入等を行う場合:110万円)
    4機能の場合・・・1施設当たり 80万円(併せて端末購入等を行う場合:130万円)
  • その他:
    児童館において、入退館や子どもの記録管理、研修のオンライン化などの職員の業務負担軽減につながる機器の導入や、利用者同士の交流、相談支援のオンライン化などの支援の質の向上につながる機器の導入など児童館のICT化を行うために必要なシステム基盤の整備に係る費用の一部を補助する。(1施設当たり50万円)

参考:子ども家庭庁「令和6年度保育関係予算案の概要」

東京都の保育園向けICT化補助金

保育所等におけるICT化を推進することで保育士の業務負担の軽減を図るとともに、保護者にとって必要な情報等を把握しやすくすることによって、児童の福祉の向上を図ることを目的とした補助金です。

※補助金交付要綱は自治様によって異なる可能性がございます。自治体にご確認いただくようお願いします。

  • 対象施設:
    認可保育所、認定こども園、地域型保育事業、認証保育所、定期利用保育事業(専用施設及び一時施設)及び一時預かり事業(緊急一時預かり)
  • 補助額:
    補助基準額:1施設当たり200万円
    補助率:3/4
  • 対象経費:
    保育所等におけるICT化推進事業の実施に必要なシステムの導入費用、リース料、工事費、備品購入費等
  • 搭載機能:
    ア 他の機能と連動した園児台帳の作成・管理機能
    イ 園児台帳と連動した指導計画の作成機能
    ウ 園児台帳や指導計画と連動した保育日誌の作成機能
    エ 園児台帳と連動した園児の登園及び降園の管理に関する機能
    オ 保護者との連絡に関する機能

参考:保育所等におけるデジタル化推進事業実施要綱(令和6年4月1日適用)

保育園のDX化に取り組もう

保育園のDX化とは、デジタル技術を用いて、保育現場の業務負担の軽減や保育士の確保・育成、保育の質を向上させる活動のことです。

保育園の先生は保育以外の事務作業に時間を費やす場合も多く、負担になっています。そこで、業務負担を軽減し、先生が働きやすい環境を実現するために、保育DXが推進されています。

保育園のDX化には、ITインフラの整備やツールの使いこなしスキルが必要となりますが、作業の効率化やコミュニケーションのスムーズ化によって先生の負担軽減になり、働きやすい環境と保育の質向上にもつながります。

補助金を上手に利用しつつ、ぜひ保育園のDX化に取り組んでみましょう。

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