保育園のICTシステム導入補助金とは?対象や要件、手続きの流れまで解説

保育園のICTシステム導入に対して、国や自治体から補助金が交付されることをご存じでしょうか。
この記事では、ICTシステム導入に活用できる補助金の種類や補助金額、対象となる経費やシステムの機能についてわかりやすく解説していきます。ICTシステム導入や補助金、業務効率化などに興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

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保育園のICTシステム導入補助金は「ICT化補助金」と「IT導入補助金」がある

保育園のICT化に活用できる補助金は大きく分けて2種類あり、「ICT化補助金」と「IT導入補助金」となります。それぞれの補助金について解説していきます。

ICT化補助金とは

ICT化補助金とは国や自治体が実施する制度で、保育施設のICT化を推進するために、ICT化にかかる費用の一部を助成するものです。保育施設のICT化補助金は大きく3つの種類があります。

・内閣府の企業主導型保育事業助成金
・厚生労働省の保育園向けICT化補助金
・東京都の保育園向けICT化補助金

それぞれ順を追って解説していきます。

内閣府の企業主導型保育事業助成金

企業主導型保育事業は、事業者が自社・他社の従業員の子や近隣の保育を必要とする児童を預かる保育施設となります。認可外の保育園となりますが、認可保育園並みの助成金を受け取ることができます。
令和元年度より、業務のICT化を推進し保育士の業務負荷の軽減を図ることを目的として、受給できる補助金に「運営支援システム導入加算」が追加されました。

対象施設

運営支援システム導入加算の対象施設は、企業主導型保育施設となります。ただし、中小企業事業主が設置する事業所に限ります。

加算額

加算額は1施設当たり最大100万円となります。

助成対象

助成対象となるのは、保育業務支援システムの導入に必要なソフトウェア等の購入費、初期費用、導入に係る工事費に加え、システム導入にあたって最低限必要となる備品の購入費となります

助成要件

以下のすべての機能を有するシステムを導入した費用に対して助成がなされます。

・保育に関する計画・記録に関する機能
・園児の登園および降園の管理に関する機能
・保護者との連絡に関する機能

また、上記以外にも保育料金の計算機能や職員のシフト作成機能など、保育士の業務負荷軽減に資する機能を追加できることが要件となります。
助成申請の際は、導入するシステムの機能および費用が確認できる資料、導入スケジュール、保育士の負荷軽減のための実施計画書を作成して提出する必要があります。

厚生労働省の保育園向けICT化補助金

保育士の業務負荷軽減を図ることを目的に、厚生労働省から「保育所等におけるICT化推進」事業の補助金が交付されています。保育に関する計画・記録や保護者とのコミュニケーション、登降園管理などに係るシステムに対して補助金が交付されます。

対象施設

対象施設は、保育所、幼保連携型認定こども園および地域型保育事業の各事業となります。ただし、居宅訪問型保育事業は対象外となります。

補助額・負担割合

補助額の上限は1施設あたり100万円となり、総事業費のうちの1/2を国が、1/4を市町村が負担します。したがって、事業者は総事業費の1/4を負担することになります。

対象経費

補助対象となる経費は、保育業務支援システム導入のために必要となるソフトウェア等の購入費、リース料、保守料、工事費、通信費およびその消費税となります。

補助要件

以下のすべての機能を有するシステムを導入した費用に対して助成がなされます。

・他の機能と連動した園児台帳の作成・管理機能
・園児台帳と連動した指導計画の作成機能
・園児台帳や指導計画と連動した保育日誌の作成機能

交付要綱は市町村ごとに異なるため、当事業の実施有無や実施時期など詳細につきましては管轄の市町村に確認を取るようにしてください。

東京都の保育園向けICT化補助金

東京都では、保育所等におけるデジタル化を推進することで保育士の業務負担の軽減を図るとともに、保護者にとって必要な情報等を把握しやすくすることによって児童の福祉の向上を図ることを目的として保育所等におけるデジタル化推進事業を行っており、保育士の書類作成など事務作業の負荷を軽減する機能を持ったシステムを新たに導入する際に必要となる経費の一部を補助しています。

対象施設

対象施設は、東京都内の認可保育所、認定こども園、地域型保育事業、認証保育所となります。ただし、実施要領内に保育施設の開設年度が指定されている場合は、その年度に開設された保育施設が対象となるためご注意ください。

補助額・負担割合

補助額は、1施設あたり最大200万円となります。総事業費のうちの3/4が補助されるため、事業者は総事業費の1/4を負担することになります。

対象経費

補助対象となるのは、保育業務支援システムの導入のために必要なソフトウェア・端末等の購入費、リース料、保守料、工事費、通信運搬費およびその消費税となります。

搭載機能

補助対象となるシステムは、少なくとも以下のアからオの機能を搭載している必要があります。ただし、オの機能については、アからエの機能を有したシステムから独立したシステムである場合も対象となります。

ア 他の機能と連動した園児台帳の作成・管理機能
イ 園児台帳と連動した指導計画の作成機能
ウ 園児台帳や指導計画と連動した保育日誌の作成機能
エ 園児台帳と連動した園児の登園および降園の管理に関する機能
オ 保護者との連絡に関する機能

また、上記の機能以外にも、保育士や保護者が必要な情報を具体的に把握できる仕組みであるなど、保育の質向上にも資するシステムである必要があります。

ICT化補助金申請の流れ

ICT化補助金の交付を受けるには、申請を行う必要があります。ここでは簡単にICT化補助金申請の流れを説明します。

1.保育施設が所属する自治体に補助金事業の実施有無や実施時期を確認する
2.申請に必要な書類を提出して申請を行う
3.補助金交付の決定通知が発行された後、システムの発注、契約、支払を行う
4.システム業者から発行される仕様書・領収書等を自治体に提出する
5.補助金が交付される

上記は補助金申請から交付までの一般的な流れとなります。申請に必要な書類としては業務効率化の段取りなどを記した「実施計画書」、「導入予定のシステムの資料(見積書・パンフレット等)」などが挙げられますが、自治体によって申請手順や必要な書類が異なるため、補助金申請を検討している場合は事前の問い合わせをおすすめします。

ICT化補助金のメリット

ICT化補助金を活用するメリットは、ICTシステム導入の費用負担を軽減できることはもちろんですが、保育業務に特化した補助金であるため、保育園のICT化に必要となる費用を幅広くカバーしていることにあります。
システム導入費だけでなく、インターネット環境を構築する工事費や、システム保守費用などの諸経費も補助の対象となるため、金銭的な問題でシステム化に二の足を踏んでいる方も導入しやすくなるのではないでしょうか。

IT導入補助金とは

IT導入補助金は経済産業省が実施している制度で、中小企業・小規模事業者がITツールを導入する際に必要な経費の一部を助成することで、業務効率化・売上アップなど経営力の向上・強化を図り、賃金上昇や経済活性化に繋げることを目的としたものです。ICT化補助金とは異なり、保育関連事業だけでなく幅広い業種を対象としています。

補助対象となる経費は、ソフトウェア費用やその導入に関連する費用となります。ただし、補助が適用されるソフトウェアは予めIT導入補助金制度への登録申請を行ったIT導入支援事業者のツールに限定されます。

A類型、B類型、C類型-1、C類型-2、D類型の5種類ある

IT導入補助金には、補助の対象や内容に応じて5つの種類があります。「通常枠」とされるA類型、B類型と新型コロナウイルス感染対策のリモートワーク推進のために追加で設けられた「低感染リスクビジネス型」のC類型-1、C類型-2、D類型があります。
ここでは、保育業務と関連の強い「通常型」のA類型、B類型について解説していきます。

A類型

A類型は、補助金額が30万円~150万円未満となります。補助率はITツール導入にかかった費用の1/2となります。補助金を利用するには、経済産業省が定める業務プロセスを担うソフトウェアを導入する必要があります。その業務プロセスは以下の6種となります。

・顧客対応、販売支援
・決済、債権債務、資金回収管理
・調達、供給、在庫、物流
・会計、財務、経営
・総務、人事、給与、労務、教育訓練、法務、情シス
・業種固有プロセス

A類型への申請を行うには、上記プロセスのどれか1つ以上を担うソフトウェアを導入する必要があります。

B類型

B類型は、補助金額が150万円~450万円以内で、補助率はA類型と同様に1/2となります。
B類型への申請を行うには、A類型で紹介したプロセスに、汎用、自動化、分析ツール(業種・業務が限定されないが生産性向上への寄与が認められる、業務プロセスに付随しない専用のソフトウェア)プロセスを加えた計7プロセスのうち、4つ以上を担うソフトウェアを導入する必要があります。

IT導入補助金のメリット

IT導入補助金を利用するメリットは、なんと言っても補助金額が大きいことです。補助率が1/2とはいえ、30万円~450万円の補助金を受けられるため、ITツールの導入にかかる費用負担を大きく軽減することができます。また、貸付金ではないため返済の必要がないことも嬉しいポイントです。
加えて、ITツールを導入することで、日々のルーティンワークにかかる負荷の軽減や、賃金上昇が見込めることで職員のモチベーションアップに繋がることが考えられます。

IT導入補助金申請の流れ

以下に、IT導入補助金の申請の流れを簡単に記します。

1.IT補助金申請ページより要領をダウンロードして内容を確認する
2.IT導入支援事業者およびITツールを選定する
3.「gBizIDプライム」アカウントを取得し、「SECURITY ACTION」を実施する
4.IT導入支援業者と協力して交付申請を行う
5.交付決定の通知を受けた後にITツールの発注、契約、支払を行う
6.ITツールの発注、契約、納品、支払を実際に行ったことがわかる書類を事務局に提出する
7.補助金が交付される

上記3の「gBizIDプライム」アカウントは、補助金交付申請に必要なアカウントです。申請からアカウント発行までは2週間ほどかかるため、早めの手続きをおすすめします。
また、「SECURITY ACTION」は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する、情報セキュリティ対策に取組むことを宣言する制度です。補助金交付申請を行う際に、宣言済のアカウントが必要となります。

補助金を活かしたICT化はプロに相談するのが近道

今回は、ICT化およびシステム導入に活用できる補助金の種類や補助金額、対象となる経費やシステムの機能について解説してきました。
補助金申請や必要書類の手配など、日々の業務と並行しながら行うのは難しいと感じた方もいらっしゃるかもしれません。そこで、保育ICTシステムを扱う事業者に相談することをおすすめします。
保育園・幼稚園・認定こども園・学童の業務を支援するICTシステムを開発・運用するWEL-KIDSは、各種補助金に対応した、事務作業の軽減や職員の勤怠管理、保護者とのコミュニケーションなどを総合的にサポートするシステムです。WEL-KIDSでは、補助金実施情報提供や申請サポートを無償で行っているほか、オンラインでのお問い合わせにも対応しております。この機会にぜひお問い合わせください。