ご利用園インタビュー:はぁもにぃ保育園(Vol.1 前編)

今回は、はぁもにぃ保育園の山下園長に、園の理念や現在取り組まれている子どもの主体性を大事にするプロジェクト保育について、またICTシステム導入に至った当時の経緯やシステム導入に対する考え方についてなど幅広くお話を伺いました。
WEL-KIDS PRESSインタビュー初の前中後編の全3回にてお届けします。

まずは園と理念について伺ったVol.1 前編です。

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園について~理念について~

―― 園のなりたちやどういったことを大切にされているか(理念)などおしえてください。

山下園長(以下敬称略):はぁもにぃ保育園は平成23年4月に開所した板橋区の認可保育園です。娘が待機児童でどこにも入ることができなかったことがきっかけで、我が子を預けたくなる理想の保育園を立ち上げようと夫婦と有志の仲間が集って設立をいたしました。

私たち夫婦が音大卒ということもあり、仲間には音楽を大切にしたい、子どもたちの感性を育んでいきたいという想いをもった仲間が集まってくれました。設立までには本当に大変な道のりではありましたが、今の職員の中には、保育園設立の為に近くにマンションを購入して引っ越して、自分の子も預かってほしいと言ってくれた仲間もいるくらい、みんなの夢や希望、情熱がつまった保育園なんです。

はぁもにぃ保育園という園名の通りの「音楽」と、子どもたちの身体づくりの為に「食育」という二つを大きな柱を強みに掲げています。

そして法人としては、設立した当初は1歳から5歳までの保育園でしたが今は、0歳(43日)から6歳をこのはぁもにぃ保育園で、1年生から6年生までを放課後健全育成事業として舟渡小学校あいキッズで運営しております。

そうやって規模が大きくなるに従って、職員全員が同じ方向を向いて子どもや、保護者と関わっていく為にも、理念というひとつの大事な考えが必要となり、平成30年に新しい理念体系を構築しました。

この理念体系は、法人として、はぁもにぃ保育園の運営の部分(日頃の保育や行事の考え方、保護者対応)において共通する価値観、考え方です。この理念に沿ったブランディングを構築していくことは、本当に難しいことでした。HPやパンフレット、園の外観、名刺や園のマーク、ユニフォームなどもこの理念にあった世界観を共通にしていくことが大切です。そういった外側の部分と、中身の職員に考え方が浸透させていく、インナーブランディングとどちらも取り組んでいく必要がありました。

ミッション「先生たちの個性や強み」を活かす

私たちの法人があることで、どういった社会を目指すかという、とても根源的な、法人の目的であり、存在理由をミッションといいます。「個性が活きる、笑顔になる社会づくり」を目指すにはどうすればいいかを考えた時、まずは子どもたち一人ひとりの個性、職員一人ひとりの個性をまずは輝かせていきたいと感じました。

ほんの一例ですが、職員でいえば、いろいろな性格の保育者がいて、かつ保育という仕事はすごく領域が広い。養護と教育といいますが、そこにも5領域があります。ピアノを弾いたり、手遊びをやったりというような音楽的活動。外遊びや室内での運動遊びや、造形的な表現活動もあるし、給食や食事のこともある…というように、すごく範囲が広いんです。

けれども、先生たちも人間ですから、全部の領域を網羅して理解でき完璧にできる先生なんかいないですよね。

だから、採用試験にピアノの試験をまだ取り入れている園も多いですが、はぁもにぃ保育園では、音楽は大事にしているけれども、全員がピアノを弾けることを求めているわけではないのです。やってはいませんが、むしろ一芸披露みたいな方がいいし、保育業界とは全く違う仕事をしていたけど、保育業界にも興味と感心をもって来てくれた人も積極的に採用をしています。

私はこれが個性・強みなんだよっていうところ、私はこういう人ですっていう軸をそれぞれに持っていて、職員集団の中でも個が立ってる状態になっていってほしいなと思っています。

しかしながらその個が全体と融合して一つになっていったり、一つ一つの個が重なりあって、新しい価値が生まれる、まさにハーモニーを創造していきたいのです。そんなかっこいい大人の姿を子どもたちに見せていくことで、子どもたち一人ひとりもぼくの、私のキラッと光るところってどこかなと感じてほしいのです。

ビジョン「品格の基礎を育むカンパニー」

ビジョンはミッションを実現する為に私たちがなりたい状態とはという、法人の目指す未来像です。私たちのビジョンは「品格の基礎を育むカンパニー」なんですが

品格という言葉には、どんなイメージありますか?

―― 上品な・しっかりしているような正しさに近いようなイメージです。

山下:ありがとうございます。

人によって色々なイメージがあると思いますが、私たちがお伝えするイメージは「軸がある」 ということです。

その子の中に、その人の中に一本筋が通っている、「軸がある」ということを品格と位置づけています。

子どもらしく自分の感情を味わって、 好きなことを思う存分することによって、自分の中で「これは嬉しいな」「これは楽しいな」「これはどれだけ時間を使っても自分が集中できるな」というものを、この6年間で見つけてもらいたいなと思っています。

そして、その好きなことを思う存分する中で生まれた自己肯定感だったり自己効力感が自分の軸になっていくと考えています。

これから小学生になったり中学生、高校生になった時には、いじめもあるかもしれないし、心ないことを言われたりとか親から押さえつけられたりするかもしれません。

けれども、その時にちゃんと自分の中で「これがあれば私は大丈夫」と思える“自分らしさ”みたいな軸の基礎を、しっかりと育んでもらいたいなと思っています。

バリュー「Good taste ~感性を養う~」

理念体系の三角形の一番下はバリューといって、ビジョンを実現する為の私たちの「あり方」とはなにかという、価値観、行動指針です。3つあるんですけど、まず1つ目に「Good taste( グッドテイスト )・感性を養う」というものがあります。

グッドテイストはセンスがいいという意味も持ち合わせています。そして感性を養うためには、五感をすごく大事にすることが大切です。

例えば「美しい 」と感じる心を養うには、いいことばかりではなくて、逆に不快だなと思うこと、ネガティブなことを感じることも、大切な要素なんですよね。

子供って感情の生き物で、本当にちっちゃい頃は感情豊かですよね。

その豊かな感情を、私たちは、教育や躾と称してその子の発達以上に我慢させてたり、抑制しがちです。そして私たち大人は我慢できないと罰で子どもをコントロールしてしまうことも多いです。子どもも賢いので、もうこれをやりたい、あれはヤダと感じても意味がない、感じないほうがいいんだと学習してしまって、自分の感じるということを閉ざしてしまうんです。そうすると、それが直接的な原因でないこともありますが、様々な心の病になったり、不登校の原因につながったりすることもあります。どんな風に感じても肯定されて、その感じることが良いことなんだよと教育していくことは、その子自身をまるごと肯定してあげることと同じくらい大事なことなんです。

このバリューを実際に保育の場面で感じることが多いのは給食の時間です。食育は、まさに「感じること」のフルコースです。

作っている時の美味しそうな音(聴覚)、保育室に流れ込む匂い(嗅覚)、そして彩り良く配膳された給食をまずは目で見て楽しみ(視覚)実際にスプーンですくったり、手づかみ食べをして(感触)を楽しみ、そして実際に食べてみて味わう(味覚)ことができます。

もう一つ、はぁもにぃ保育園が強みとしている「音楽」も感性を育てていく上で非常に有効です。

”音楽 ” と言うと、「鍵盤ハーモニカを弾けるようになるんですか?」
とか「絶対音感がつくんですか?」
と思われる保護者さんもいらっしゃいますが、はぁもにぃ保育園は日常生活の中に音楽があふれているというイメージです。”感性を養う ” という観点で言えば、「呼吸を合わせて奏でる・歌う」とか「歌ってる時の喜びを感じる」というほうが大事です。

歌も沢山歌いますし、楽器も演奏するんですが、リズムを正しく奏でるということより、まず楽しむことや、「嬉しいな」って感じてもらうことを大切にしています。正しく譜面の通りに…というのは楽しんだり、嬉しいと感じて、更に上手になりたいという気持ちになった時に重要になってくるもので、一番最初の一番大事なことはやはり「感じる」ことだと思っています。

バリュー「Borderless ~「わ」づくり~」

行動指針の2つ目には『Borderless(ボーダーレス)「わ」づくり 』 というものがあります。

うちでは異年齢保育を行っているので、まさにボーダーレス、境界線がないところも非常に大切にしています。

子どもの発達は連続しているのに、「一学年は4月生まれから3月生まれまでで」と区切ることは、大人の都合ですよね。園では、ある意味大きなお家のように、みんなで生活していて、学年でのクラスはあるんですけれども、常に異年齢の子達が関わり合うことを大切にしています。

異年齢で過ごすことで生まれる感情があるんです。あんな風になれたらいいなとか、お兄さんお姉さんみたいになれたら素敵だなとか。また、下の子を思いやる愛情や、優しさ、思いやりも育まれていくので、異年齢でつくる「わ」を大事にしています。

時には、上の学年の子と下の学年の子がぶつかり合うこともあるわけなんですけど、仲がいいだけが「わ」ではなくて、関わりや対話を大切にしています。

現在、軽度の発達障害のお子さんやダウン症の子さんもお預かりしてるんですけれども、そういったお子さんの発達にも寄り添えるんですよね。実年齢は4歳でも、発達の状態としては2歳ぐらいというケースもあるわけですけど、異年齢保育の中で保育をしてるとあまりそこも気にならなくなります。

年齢が下の子たちが常に一緒にいるので、あまり自分だけが劣っているとか、自分だけが出来ないというのは感じづらいんです。

3月生まれの子がよく、いつも僕だけ遅いとか、いつも僕だけ怒られる、早くしなさいって言われる、というようなことは起こりづらい環境になっています。

バリュー「Family Friendly ~家族の目線~」

行動指針の3つ目の「Family Friendly(ファミリーフレンドリー)・家族の目線」は、ボーダーレスとも関係しています。あったかい家族の目線で子どもたちも、職員同士も職員集団として家族のように、時に厳しいことも指導することもありますけど、それも受け止めて、お互いに成長し合える仲間になることが大切だと思っています。

これは相手をどこまで“大事な人”と思えるかというところかなと思っています。

今回は、重点的に理念の話をいたしましたが、園のすべてにこの理念がしみ込んでいるか、整合性はあるか、統一性はあるか、今一度みていくことで、これからの少子化の時代に備えて、強みを明確にし、園としてのブランド力を高めていくことにつながっていくと考えています。

(Vol.2 中編へつづく )


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