現代の社会では、答えがひとつではない複雑な課題が増えています。その中で、子どもたちが「なぜ?」と問いかけ、自分なりの答えを導き出す探求型学びが注目されています。探求型学びの重要性を軸に、保育士と子どもが共に成長する探求活動の価値、そしてそれを具体的に実現するプログラム『サイエンス+』が保育現場にもたらす変化についてお伝えします。

保育園・幼稚園・療育施設のニーズに応え、「こんなサービスがあったらいいな」を形にする株式会社E5。現場の声を活かしたアイデアで、子どもたちと保育士を支えるサービスを提供します。
目次
1.探求型学びの重要性
現代社会では、答えがひとつではない課題に直面する場面が増えています。例えば、気候変動といった環境問題や、テクノロジーの進化が生み出す新しい価値観の中で、私たちは常に多面的な視点で考えることを求められています。こうした課題に向き合うためには、自ら考え、自分なりの答えを導き出す力が不可欠です。
探求型学びは、単に知識を覚える教育とは異なり、「なぜそうなるのか?」と問いかけながら、物事の本質を深く考える力を育むことを目的としています。
この疑問をもち、探求し、更に疑問をみつける過程おいて、こどもたちは自分なりの答えを得るまでの過程を楽しみ、物事を多角的に捉える視点を身につけていきます。
過程で得られる気づきや発見が、子どもたちの創造力を育みます。 また、何か困難に直面したとき、「どうしてこうなったのか?」と冷静に現状を分析し、多方面から解決の糸口を見つけ出すためには、多角的な視点で捉えることが必要であり、それは未来を切り拓くための重要なスキルです。探求型学びは、まさにその基礎を築きます。

2.探求型学びがもたらす保育士と子どもの共育
保育園や幼稚園における探求活動は、子どもの興味関心を引き出し、好奇心を育むと同時に、保育士が新たな視点や発見に出会う場でもあります。探求活動は、単にテーマを与えて手順通りに進めるものではなく、日常生活の中で生まれる小さな疑問を見つけ、それらを一緒に考え、想像し、解き明かしていくプロセスです。
こうした探求活動は、子どもたちの思考力や問題解決能力を高めるだけでなく、保育士が保育に対する新たなアプローチを見出す契機にもなります。例えば、子どもたちが「なぜ空は青いの?」と問いかけたとき、保育士はその答えをあらかじめ用意するのではなく、一緒に考えたり、想像したり、調べたりしていきます。このプロセスは、保育士にとっても驚きと発見の連続です。子どもの視点を通じて、自分では気づかなかった事象や考え方に触れることで、保育士自身の視野も広がります。
探求活動の中で、保育士は子どもたちに「正しい答え」を伝えるのではなく、子どもたちが自分自身の答えを見つけるサポート役として関わります。こどもが自分なりの新しい答えを見つけることが目的であるため、正しい・正しくないという判断で教えるのではなく、あくまでも寄り添う姿勢でサポートします。
このサポートに徹する姿勢により、子どもたちは「間違える」「失敗する」といった概念にとらわれず、安心して探求し、安心して自由に学ぶことができます。こうして育まれる相互の成長は、保育の現場に新しい価値をもたらします。

3.探求型学びの実践「サイエンス+」
『サイエンス+』は、子どもの「なぜ?」という疑問を出発点に、探求型学びを具体的に実践するプログラムです。このプログラムでは、保育士が事前に細かい計画を立てるのではなく、子どもたちと一緒に発見を楽しみながら探求を進めていきます。探求テーマには、日常で目にする物や事象を取り上げ、身近な物がより面白く感じられる内容になっています。そのテーマについて、さまざまな視点から深く掘り下げることで、学びの幅を広げていきます。
子どもの自由な探求を尊重
『サイエンス+』では、子どもたちの「なぜ?」という疑問に対し、正解や不正解にとらわれることなく、試行錯誤を通じてそれぞれが自分なりの答えを導き出すことを大切にしています。この自由な探求の場では、間違えることや失敗を恐れる必要がなく、子どもたちは安心して挑戦できます。そして、子どもたちは自ら考え、行動し、答えを見つける楽しさを存分に味わうことができます。
子ども主体の柔軟な保育
『サイエンス+』の探求活動は、計画通りに進める「保育士主体」の活動ではなく、子ども一人ひとりの興味や関心に注力する「子ども主体」の活動です。たとえ子どもが当初の予定とは異なる方向に興味を示したとしても、その興味を大切にし、活動を柔軟に展開します。これを単なる「脱線」と考えるのではなく、新しい発見のきっかけと捉え、子どもの興味をさらに深める機会を喜びます。
保育士自身の成長も促進
『サイエンス+』では、保育士も子どもたちに日々アプローチしていく中で、自身の視点を広げることができます。子どもたちと同様に、保育士も失敗という概念から解放され、様々なことに挑戦するようになります。また、多角的な視点を身につけることで、子どもたちの気づきや考えに寄り添う力が高まり、結果的に保育士自身の問題解決能力も向上します。
子どもと保育士の成長が生む未来への力
『サイエンス+』の探求活動では、子どもたちが自分の力で課題を探求し、解決する方法を身につけていきます。この過程で培われた力は、子どもたちが未来のさまざまな課題に柔軟に対応し、乗り越えるための大きな力となります。
一方で、保育士にとっても『サイエンス+』は、楽しみながら自然と学び挑戦できる場です。子どもたちと共に探求する中で、保育士は多角的な視点を身につけ、子どもの個性や可能性をより深く理解し、それを支える力を育むことができます。
自由な発想を大切にし、挑戦を楽しむ『サイエンス+』は、保育の現場に新しい可能性をもたらすプログラムです。

プロフィール:株式会社E5 佐藤大介(さとうだいすけ)

保育園・幼稚園・療育施設に特化したサービスを提供する株式会社E5は、「現場の声」を形にする企業です。保育療育事業者の視点から、子どもたちの未来を育む場を支えるとともに、現場の負担を軽減する取り組みを行っています。多様なニーズに応える柔軟なサービスで、日々の保育や療育の現場を支援しています。
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