保育園の作品展とは?当日までの流れやテーマ例もご紹介

こんにちは。「ウェルキッズフォト」ライターチームです。

保育園の作品展は、子どもたちの創造力や表現力をはぐくむ絶好の機会です。本記事では、作品展の概要、準備から当日までの流れ、テーマ例まで詳しくご紹介します。作品展を効果的に開催したい先生や、作品展のテーマにお悩みの先生は、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

目次

作品展とは

保育園の日々の活動の中で、子どもたちは紙やダンボール、ねんど、ハサミ、のり、クレヨンなどの道具を使って形を作ったり、色づけしたり、たくさんの制作を行っています。

子どもたちは制作することで、創造力や表現力、課題の発見・解決力、手先の器用さ、集中力などを育成しています。また、色んな素材に触れることで視覚・五感が刺激され、感性や感覚の発達にもつながります。

作品展は、子どもたちの作品を展示し、保護者や地域の人々に見てもらうイベントです。普段の家庭生活では見ることが少ない作品を通して、子どもたちの1年間の成長や創造力、努力の成果を保護者に伝える貴重な場ともいえます。

作品展の目的・ねらい

以下では、保育園の作品展について具体的な目的・ねらいについて解説します。

家族や他者から評価される機会をつくる

作品展は、子どもたちが自分の作品を見てもらい、保護者や友達、地域の人々から評価される機会にもなります。家族や他者から褒められたり評価を受けたりすることで、子どもたちは自信を持ち、自己肯定感の向上にもつながります。

また、作品に対してアドバイスをもらうことで、新しい視点を得ることや改善の学びにもなり、向上心の育成にもなります。

共同で作り上げることの楽しさを学ぶ

作品展では、個人制作だけでなくグループでの共同制作も行います。子どもたちは共同で一つの作品を作り上げることで、協力する楽しさやチームとしての達成感を感じることができます。共同制作を通じて、社会性やコミュニケーション能力の育成にもなります。

自分のイメージを実際に形にしていくプロセスを楽しむ

子どもたちは、自分の思い描いたアイデアを実際の形にするプロセスを楽しむことで、創造力と表現力の育成につながります。思い描いたゴールに向けて少しずつ形を作っていく中で、「もう少しこうしたい」「こうすると良いかも」と課題を発見して修正したり、新しいアイデアが生まれたりすることもあるでしょう。

子どもたちは豊かな感性や個性を発揮しながら、作品を完成させる達成感を味わうことができます。

作品展は、子どもたちの成長を見守る先生にとっても、喜びとやりがいのあるイベントです。普段自分からアピールをしない子どもたちの成長も実感できる場でもあります。

開催時期と頻度

作品展の開催時期は、秋の10~11月や冬の2~3月ごろに開催する園が多いです。また、頻度については年1回行う園が一般的ですが、2回行う園もあるようです。

時期や頻度については、保護者が参加しやすいタイミングに開催すると良いでしょう。

作品展の活動内容

作品展では、個人制作と共同制作の両方をバランスよく取り入れることが大切です。子どもひとりひとりの作品と、グループで作った大きな作品を展示することで、多様な制作活動を紹介できます。

主な活動内容には以下のようなものがあります。

テーマの設定

まずはテーマを設定します。これは園全体で1つのテーマを決める場合もあれば、クラスごとに設定する場合もあります。絵本や季節、自然などをテーマにすることが一般的です。また、共同制作を行う場合もあります。

個人作品の制作

子どもたちはテーマに基づいて個人で作品を制作します。例えば、フィンガーペイントで自然や生き物、食べ物を表現したり、紙や粘土、ストロー、拾った葉っぱなどの身近にある色んな素材を組み合わせて立体を作ったりします。子ども一人ひとりの個性があらわれる作品になるでしょう。

クラス別の共同制作

一つの大きな作品をみんなで協力して作り上げる場合もあります。例えば、動物園をテーマに色んな動物を作ったり、季節の行事をテーマに大きな桜の木や花火、クリスマスツリーを作ったり、子どもが好きなものをテーマに恐竜や宇宙空間、線路などを作ったりします。

展示会場の設営と装飾

作品の展示会場を飾り付けて、子どもたちの作品が映えるようにします。会場設営において特に考えておきたいポイントについてご紹介します。

  • 展示スペースの確保
    展示スペース決めでは、壁面やテーブルを使って作品を展示できる十分なスペースを確保します。

  • 背景の装飾
    壁面はカラフルなクロスや紙などで装飾し、子どもたちの作品が映えるようにします。季節やテーマに合ったイラストやポスターを貼るのも効果的です。

  • テーブルの配置
    テーブルを並べて、作品を展示するスペースを作ります。テーブルクロスや花などで飾り付けを行い、季節感や親しみやすい雰囲気を演出すると良いでしょう。

  • 作品の配置
    作品は、見やすいように目立つ位置に配置します。また、子どもたちの名前を書いたタグを作品に添えるか、作品に名前を書いて、どの作品が誰のものか分かるようにします。

  • 照明と音響
    明るい照明を使って作品を引き立て、音楽を流すことで雰囲気を盛り上げると良いでしょう。

  • 交流スペース
    保護者同士や子どもたちとの交流を促すスペースを設けて、楽しい時間を過ごせるようにしても良いでしょう。また、作品展のテーマや子どもたちの作品について解説したり、製作中の様子を伝えたり、園や子どもたちの生活・成長を保護者に伝える場を用意しても良いでしょう。

作品展の準備、当日までの流れ

以下では、作品展の準備および当日までの流れについてご紹介します。

1.テーマを決める

テーマ選びは、子どもたちの興味を引き、楽しんでもらうための重要なステップです。

最新の遊びや子どもたちが興味を持ちそうなテーマをリサーチしてテーマを決めます。例えば、動物、自然、宇宙、食べ物など、子どもたちが好きなテーマを選びます。

先生同士や子どもたちとテーマについてアイデアを出し合います。子どもたちの意見を取り入れることで、興味を持たせることができます。

2.開催日と会場の確保

多くの園では作品展の開催日は年間スケジュールで決まっているかと思いますが、まだ決まっていない場合は、できるだけ多くの保護者が参加しやすいタイミングに設定すると良いでしょう。

また、作品展を開催する場所については、広さや安全性、アクセスの良さを考慮して選びます。一般的には保育園のホールや地域の公共施設を利用します。開催日に合わせて開催場所を確保しておきましょう。

3.テーマが決まったら材料を準備し、製作する

テーマに沿った材料を揃えます。過去の制作を参考したり、新しく子どもたちと一緒に何が使えそうか考えたりしても良いでしょう。

保育園にあるものや、家庭から持ち寄ってもらうものをリストアップして準備します。必要な材料が揃ったら、制作に取り掛かります。

4.保護者に案内をする

保護者に向けて作品展の案内を行います。日時や場所、見どころなどを具体的に伝えることで、多くの参加を促します。文字のみでなく、昨年の様子や今回の作品展のテーマが伝わるイラスト・写真などをつけて楽しそうな雰囲気を伝えても良いでしょう。

案内は、手紙やメール、園の掲示板などを通じて行います。

5.会場の設営、完成作品の展示をする

展示会の前日~当日にかけて、会場の設営を行い、完成した子どもたちの作品を展示します。見やすいレイアウトを心がけ、子どもたちの努力が伝わるように展示方法や作品の配置に工夫を凝らし、来場者が楽しめるようにしてみましょう。

準備の当日にあわてないように、あらかじめ作品を配置する場所、順路などを決めておくと良いでしょう。

作品展のテーマ例

以下では保育園で使える作品展のテーマについてご紹介します。テーマ選びにお悩みの先生はぜひ参考にしてみてください。

年齢別の制作アイデア

子どもたちは年齢や成長度でできることや好奇心の範囲がどんどん広がっていきます。以下では年齢別に制作のアイデアについてご紹介します。

【0歳児】八百屋をテーマにして野菜・果物をフィンガーペイントでつくる

0歳児はまだ切ったり貼ったりなどの複雑なことをするのは難しい時期なので、手足のかんたんな動きでできるフィンガーペイントが定番です。テーマに沿って形作った紙や立体に手形・足形をつけて装飾するだけで、子どもひとりひとり違った作品にできます。また、手足で自由にペイントすることで、色や素材への感覚も養えます。

0歳児はミルクから離乳食へ移行し色んな食べ物を口にする時期なので、0歳児にとって身近な食べ物をテーマにしてはいかがでしょうか。

キュウリ・ブロッコリー・ジャガイモ・トウモロコシなどの野菜や、イチゴ・スイカ・パイナップル・レモンなどの果物を並べて、子どもたちの作品で色彩豊かな八百屋にしてみましょう。

【1歳児】音楽をテーマに楽器をつくる

1歳は五感の発達が大きく伸び、色んなものに興味を持ち出す時期です。様々な素材を使って触覚を刺激しながら、音楽への興味を育てるのはいかがでしょうか。

ストローをつなげてトライアングルを作ったり、紙皿と紐を組み合わせてシンバルを作ったり、牛乳パックと布を合わせて太鼓を作っても良いでしょう。実際に叩くと音がでるように工夫するともっと楽しくなります。

【2歳児】海をテーマにしたクラフト作り

2歳は外遊びも増えて、外への興味や生き物への観察が深くなる時期です。また、お絵かきも上手になってくるので、子どもたちが自分で作品に色付けするのもおすすめです。

例えば、海をテーマにして、紙皿を使って魚やクラゲ、貝などを作ったり、丸めた新聞に布をかぶせてタコを作ったり、小さい箱にモールやストローなどを貼り付けてカニを作ってみましょう。青いスズランテープを敷いて海に見立て、色んな海の生き物が泳いでいるように表現してみるのも楽しいですね。

【3歳児(年少)】宇宙をテーマにしたモビール作り

3歳児は体や手先がますます器用になり、はさみで紙を切ったり、のりで貼り付けたり、立体的なものをつくるのも上手になってきます。

色紙や紙粘土、割りばしや紐などを使って、宇宙のモビールを制作するのはいかがでしょうか。立体を作ることによって立体的な思考や空間を把握する力を育てます。

また、宇宙をテーマすることで、普段見えている太陽・月・星以外にも天体への興味をひき「宇宙には何があるのかな?」「どんな惑星があるのかな?」と調べるきっかけになるかもしれません。

【4歳児(年中)】街をテーマにしたジオラマ制作

4歳児は想像力が成長して自分でストーリーを作れるようになってきます。手先もますます器用になり、ハサミで形を意識して切ったり、かんたんな図形を描いたりできるようにもなります。

段ボールや紙粘土、折り紙などを使って、街のジオラマを作成するのはいかがでしょうか。家や樹木をつくったり、道路を装飾したり、大きなビルをたくさん建てたり、子どもたちの自由な発想を楽しめます。また、クラスの共同制作として大きな街をつくり、想像力と協力の大切さを学ぶのも良いでしょう。

【5歳児(年長)】なりたい自分をテーマにしたコスチューム作り

5歳児は社会性と表現力が発達してきて、文字の読み書きや、物や人物の観察画などもできるようになってきます。5歳児クラスにとっては保育園での最後の作品展になるので、少し高度な製作に取り組んでみましょう。

5歳児は、保育園を卒業して小学校に入学することへの期待や不安があるかもしれません。そこで、これからやりたいことや将来の夢にポジティブな気持ちを持ってもらえるよう、10年後・20年後の自分や、なりたい自分をテーマにしたコスチューム作りはいかがでしょうか。
また、未来への自分宛に手紙を書いても良いかもしれませんね。

なりたい職業について調べたり、どんな素材で作れそうかと考えたり、自分のオリジナルコスチュームを設計したりすることで、創造力を養います。

共同制作のアイデア

子どもたちが協力して楽しく作れる共同制作のアイデアについてご紹介します。

共同制作では、ひとりでは作るのが難しいような大きな作品にすると良いでしょう。

大きな絵本パネル

子どもたちと先生が一緒に作る共同制作として、大きな絵本はいかがでしょうか?

好きな絵本のシーンをみんなで描いたり、オリジナルの物語をつくったり、空想世界の絵本というテーマで不思議な絵や文字を描いても良いでしょう。

絵本パネルをいくつか並べて、一つの絵本として物語を読めるようにしても楽しいですね。

段ボール迷路

段ボールを組み合わせて、大人も通れるくらいの大きな迷路を作ってみるのはいかがでしょうか。

壁に絵を描いたり、色んな素材で装飾したり、行き止まりではクイズなどでゴールへのヒントを出すなどしても良いでしょう。アイデア次第で、見ても通っても楽しい迷路にできます。

また、迷路のルートを子どもたちが考えることで、思考力の育成にもなります。

動物園をテーマに色んな動物をつくる

動物園をテーマにして、段ボールや新聞紙、花紙などの色んな素材をつかってたくさんの動物を作るのはいかがでしょうか。

動物園にはゾウやキリンなどの大きな動物、レッサーパンダやミーアキャットのような小さい動物、カメや鳥など、知っている動物から珍しい動物まで様々な種類の生き物がいます。

子どもたちでどんな動物がいるか調べたり、どの動物を作りたいか計画したり、メインの動物だけでなく背景や柵・小物についても考えたり作ったりするプロセスは、楽しい作業になるでしょう。

遊園地をテーマに色んな乗り物をつくる

遊園地をテーマに、子どもたちが好きな乗り物や遊具を作ってみるのはいかがでしょうか。

大きな観覧車やメリーゴーランド、コーヒーカップなどのくるくる回る乗り物や、長いジェットコースターを作るのも良いでしょう。

また、段ボールなどで実際に座れるもの作ったり、軽快な音楽を流したり、遊園地にいるような雰囲気にすると、さらに楽しめます。

作品展の開催において意識すべきポイント

作品展を開催するにあたり、事前の準備が重要です。以下では作品展の開催で気を付けるポイントについて解説します。

家庭で材料等を準備してもらう場合には早めに通知する

作品展の制作では色んな素材を利用します。すべて園で準備することが難しく、保護者に協力をお願いすることもあるでしょう。材料が揃わないと制作が進まないため、保護者には早めに連絡し、準備してもらうようにしましょう。

子どもたちが作品作りで悩んでいたらサポートする

制作がはじまると、子どもたちから悩みが出てくることもあると思います。子どもたちが制作に行き詰まった際には、子どもたちのペースに合わせて適切なサポートを行いましょう。

また、子どもたち自身が作品をつくり上げられるように、先生はあくまでサポートの立場に徹しましょう。

子どもたちのモチベーションを高める

作品が大掛かりなものや複雑なものになると、子どもたちも制作に時間がかかってしまい、疲れてしまうこともあります。

作品展では、子どもたちに制作の過程を楽しませることが重要です。先生は「よくできたね」「頑張ったね」といった前向きな声がけを行い、子どもたちのやる気を引き出しましょう。積極的に褒めることで、子どもたちの意欲を育てます。

まとめ

作品展は、子どもたちの成長を感じる素晴らしいイベントです。準備から当日までの流れをしっかり把握し、成功に向けて取り組みましょう。先生として、子どもたちの創造力や表現力を引き出し、楽しい思い出を作る手助けをすることが大切です。

また、作品展での思い出を子どもたちや保護者と共有するために、ぜひたくさんの写真を撮りましょう。制作中の様子や、完成したときの喜びあふれる表情、展示されている作品の前で家族写真を撮るなど、シャッターチャンスは盛りだくさんです。

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