未来を見つめた幼児の言語教育について【第4回】WithBook English online を活用した「毎日えいご」と探究活動について

保育・療育・教育事業を展開する株式会社アイ・エス・シーが、「保育事業者」と「自己探究プログラムの開発事業者」双方の視点から、「ことば」や「その子らしさを育くむコミュニケーション」に関わるお役立ち情報を提供していきます。

前回のまとめ

  • 幼児期の「言語教育」と「探究活動」には深いかかわりがあり、これらの経験は、その後の社会生活や勉強にも影響を及ぼす
  • 海外の探究活動事例の紹介
  • 「異文化」をテーマにした探究活動の事例
  • WithBook English onlineを活用した探究活動について

「ことば」をテーマとした探究活動

これまでの連載で、探究活動が子どもたちの成長にもたらす様々な効用についてお伝えしてきました。今回は、より具体的に、「ことば」をテーマにした探究活動について取り上げていきます。おそらく多くの園の先生方は、きっとすでに何かしら子どもたちが「ことば」に興味を示すような働きかけをされていることと思います。日々の子どもたちとのコミュニケーションやあそび、お友達同士のやり取りも、その役割を果たしているでしょう。

今回は、そのようなやり取りの中でも特に「保育者による環境設定と子どもたちの主体的な発信を意識的に時間をかけて行う場合」の事例を挙げてみたいと思います。

「ことば」をテーマとした探究活動の具体例

(1)絵本の読み聞かせとディスカッション
絵本を読み聞かせた後、子どもたちに質問をしたり、感想を話し合ったりすることで、語彙力や表現力を高めます。物語の内容だけでなく、登場人物の服装や家・町の様子などに着目すると、興味の幅が広がります。

(2)ことば遊びとリズム遊び
しりとりや早口言葉、リズムに合わせて言葉を繰り返す遊びなども、言葉の音やリズムに親しむ有効な活動です。例えば、「あいうえお」のリズムに合わせて手拍子をしたり、歌を歌ったりしても面白いでしょう。

(3)ことばの探検
子どもたちに「好きな『ことば』は何?」と問いかけ、その言葉について、連想できることや、関わること、その言葉が出てくる場面などについて話し合います。また、その言葉を使って絵を描いたり、物語を作ったりする活動を行います。

(4)お話づくりと演じる活動
子どもたちがつくった物語を演じる活動を行います。これにより、創造力や表現力が養われ、他者とのコミュニケーション能力も向上します。

(5)多言語に触れる活動
日本語と全く異なる発音や表記で見聞きする「ことば」に触れ、「これって、英語でなんていうのだろう?」「これって、日本語の何と一緒だろう?」と疑問を持つことも、ことばへの興味を深めるきっかけになります。また外国や異文化、異なる人種への興味などへの発展も期待できます。

いかがでしたか?気になる活動はございましたか?
探究活動のテーマに「ことば」を置く活動を通じて、子どもたちは楽しみながら言葉の世界を探究し、表現力やコミュニケーション能力を育むことができます。ぜひ、子どもたちの興味や発達に合わせ、取り入れてみてはいかがでしょうか?

「オノマトペ」の魅力とその効果

先ほど挙げたあそびの中には、2~3歳の子どもたちにとっては、少し楽しむことが難しい活動もあるかもしれません。そんな時におすすめの活動が、「オノマトペ」を使ったあそびです。生活で身近な擬音語や擬態語を表すオノマトペ。繰り返す表現が多く、子どもたちはそのものを楽しむこともできます。ここでは、日本語と英語のオノマトペの例をいくつか紹介していきます。

・日本語のオノマトペ
1. 擬音語(音を表現する言葉)
 o 犬の鳴き声ワンワン:犬の鳴き声
 o ザーザー:雨の音
 o ドキドキ:心臓の鼓動

2. 擬態語(状態や動きを表現する言葉)
 o キラキラ:光が輝く様子
 o ふわふわ:柔らかくて軽い様子
 o ゴロゴロ:雷の音や、転がる様子

・英語のオノマトペ
1. 擬音語(音を表現する言葉)
 o Woof: 犬の吠える音
 o Splash: 何かが水に当たる音
 o Buzz: ハチの音やブーンという音

2. 擬態語(状態や動きを表現する言葉)
 o Glimmer: かすかなまたは揺らめく光
 o Fluffy: 柔らかくて軽い質感
 o Rumble: 雷のような連続した深く響く音

<その他のオノマトペ一覧>

このように、オノマトペを使うことで、子どもたちは言葉のリズムや音の楽しさを感じると同時に、モノの様子をて、手足を使って表現することで、想像力や表現力を磨いていくことができます。ぜひ一度、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

WithBook English online導入園での活動事例

WithBook English onlineでは、月に1度の「わくわくレッスン」という、自由に外国人講師とコミュニケーションを取ることができる特別な日があります。この日の内容は、講師から提供されたものではなく、保育者と子どもたちで設定します。そして、テーマについて興味を持ったことを調べたり、メッセージを作ったりしたものを、英語講師に発表することができます。また、外国人講師に聞いてみたい質問を投げかけてみることも可能です。

【ある日の「わくわくレッスン」の様子について】

  • 日本の季節の発表と質問
    「日本には「春・Spring」「夏・Summer」「秋・Fall」「冬・Winter」の4つの季節があります「フィリピンにはいくつの季節がありますか?」
    担任講師から、「フィリピンには雨季と乾季があるんだよ」と教えてもらう
  • 日本の伝統衣装の紹介と質問
    「日本の伝統衣装には「着物・浴衣があります」
    「フィリピンではどんな衣装を着ますか?」
    担任講師から、「フィリピンでは・・・という衣装を着ることがあります」

このようなやりとりを通じて、子どもたちは、日本語と英語ということばの違いはもちろん、それぞれの気候や文化の違いに触れることができます。そして同時に、「自分の発表が講師の先生に通じて嬉しい!」「がんばったけど上手く伝わらなかった。でもチャレンジできた!」など、「伝えるたのしさ」や「伝わるうれしさ」、「伝える上での工夫」についても感じ・学ぶことができています。

今回は、「ことば」をテーマにした様々な活動をご紹介いたしました。当たり前に使う「ことば」を意識的に活動に取り入れてみることで、新たな気づきや興味への深まりにつなげていけると素敵ですね。

※「WithBook English online」は、とうきょうすくわくプログラム推進補助事業の要件を満たしています。

プロフィール:㈱アイ・エス・シー まなび事業部

「らしさとらしさ、あふれる社会へ」をビジョンに掲げ、保育・療育・教育事業を展開する㈱アイ・エス・シー。ママ社員で構成する「まなび事業部」で「自己探究」を軸に開発したオンライン英語「WithBook English online」は、園での外国人講師とのインタラクティブな英語あそびを通じて、”ことば ”がもつイメージ・意味を深めるプロセスを楽しみ、英語が好きになることで自然と英語で表現できることを目指しています。

▷WithBook English online  https://withbook-english.com/

この記事を共有する