未来を見つめた幼児の言語教育について【第2回】WithBook English online による「毎日えいご」と探求活動について

保育・療育・教育事業を展開する株式会社アイ・エス・シーが、「保育事業者」と「自己探求プログラムの開発事業者」双方の視点から、「ことば」や「その子らしさを育くむコミュニケーション」に関わるお役立ち情報を提供していきます。

前回のまとめ

  • 人は“ことば”を獲得することで思考や表現の幅を広げ深めていく
  • 子どもたちが活躍する未来、英語は身近なコミュニケーションツールになっている
  • 日本の英語教育は「学ぶ」から「使って表現する」へ変化してきている
  • 幼児期に英語が身近で楽しいこととして存在することの4つの効果
  • 「WithBook English online」の取り組み

「主体性を育む保育」と探求活動

近年、保育の現場で「探求活動」が注目を集めています。今年度、東京都では幼保園での探求活動に対して補助金が支給される「すくわくプログラム」がスタートするなど、その流れは加速傾向にあります。子どもたち自身で問いを立て、答えを探し出す探求活動は、これまで以上に子どもたちの主体性を重んじることが特徴といえます。

この活動の中心にあるのは、「興味・関心」です。子どもたちは、日常生活や自然界で感じた疑問を出発点として、実験や観察、役割分担や対話を通じてその答えを見つけようとします。あそびを通した探求は、子どもたちの好奇心や社会性を育み、さらには問題解決能力や創造性を養うことにつながっていきます。また、保育者や友だちと一緒に活動を行う中で、社会性協調性表現する力を自然と身を付けていくのです。

このように探求活動が保育でトレンドになっている背景には、情報化社会の影響や価値観の変化が深く関わっていると考えられます。インターネットやSNSを通じて、大量の情報にアクセスできる時代を生きてくためには、「多くの情報の中から本当に必要なものを選び取る能力」を求められるようになってきているのです。そして、多様な価値観の中で、「自分の考えを表現する力」も大切になってきているのです。

幼少期から「自分で考え・表現する力」を養うことは、将来的にこの情報社会を生き抜くために必要不可欠になってくるでしょう。自ら探し、選び、深く考える機会の提供が求められることは、時代の要請に応えた自然な流れといえるでしょう。

言葉を豊かにし、その子らしさを育む活動

㈱アイ・エス・シーが開発した「WithBook English online」(以後、WBEO)のベースとなっている「WithBookプログラム」は、25年の幼児教育の実績と知見をもとに開発され、多くの園で親しまれています。「WithBookプログラム」のコンセプトは、「ことばを豊かにして自分らしさを深める」「あそびによって興味関心を引き出し、自分らしさに出会う」ことを通して「自分らしく生きる力を育むこと」。

具体的には、オリジナル絵本を用いて1冊の絵本の絵や色、形、ストーリー、音など、様々な要素から、子どもたちとの日々のやりとりを通じてあそびに展開し、自分の「好き」に気づく経験を通して、「らしさ」を育む活動です。ユニークな発想から、おつきさまの絵が、黄色信号になって、乗り物遊びをする、なんて展開になることも。そして、そのあそびの過程で、大人たちからたくさんの言葉を伝えられる(「意識づけをする」)ことで、多くの言葉を獲得し、自己認知や自己肯定感が育まれれる活動でもあります。

これは、まさに今必要とされている探求活動に通じると私たちは感じています。長年、「ことば」と「自分らしさの育み」を大切にしてきた私たちは、英語プログラムにも同様に、「絵本の世界を味わい、講師とのやりとりを通じて自分の「好き」に気づく・表現する」そんなスタイルにこだわったのです。

言語学習と探求活動の融合

幼児期の英語学習と探求の融合は、子どもたちの自然な好奇心を引き出し、楽しみながら結果的に言語習得に繋げることができると私たちは考えています。幼児は探求心が旺盛で、新しいことに対する興味が尽きません。この特性を活かし、「WBEO」では、リアルタイムで海外に住む外国人担任講師とのコミュニケーションを図ることができるだけでなく、その国の様々な様子の動画を見ながら行うレッスンもあり、「海外のリアルな日常」や「異文化」を感じることもできます。そして、そのレッスンを通じて感じたことから発想を広げ、探求テーマとして深めていくことが可能です。

このようなアプローチは、子どもたちが「英語に楽しく親しむ」ことにつながると同時に、記憶に残りやすく、結果として一定の学習効果も期待できると考えます。また、それらの学びを、英語以外の活動や日常生活にも展開できるため、総合的な成長を促進します。幼児期の英語学習と探求の融合は、まさに未来のグローバルな社会で生きていくための基盤と言えるでしょう。

園運営を通して実感する「日々の積み重ねの効果」

実際にWBEOを導入している園でのアンケートでは、実に9割以上の保育者が、「子どもたちが主体的に楽しんで参加している」と回答。日常的にある活動のひとつとして、楽しんで参加している様子がうかがえます。

また、導入園の園長先生方からは、次のようなコメントをいただいています。

▷大切にしたかったのは、日本語も英語も関係なく、「あなたはどう思う?」と、自分を知る機会や会話があること。WBEOは、私たちが日ごろから大切にしているそういった保育感に通じるところがあり、安心できました。

▷担任の講師が、もう一人の先生として子どもたちの表情までよく見て話しかけてくれるので、想像以上に信頼関係を築けています。

▷外国籍で、日本語や英語以外の言葉が母国語の園児が、いきいきレッスンを受けており、『自分の国の言葉で表現してもいいんだ!』と感じるきっかけになって嬉しいです。

今後ますます保育の現場に広がっていく探求活動。そのエッセンスを、ぜひ身近な絵本から取り入れてみてはいかがでしょうか?

※「WithBook English online」は、とうきょうすくわくプログラム推進補助事業の要件を満たしています。

プロフィール:㈱アイ・エス・シー まなび事業部

「らしさとらしさ、あふれる社会へ」をビジョンに掲げ、保育・療育・教育事業を展開する㈱アイ・エス・シー。ママ社員で構成する「まなび事業部」で「自己探究」を軸に開発したオンライン英語「WithBook English online」は、園での外国人講師とのインタラクティブな英語あそびを通じて、”ことば ”がもつイメージ・意味を深めるプロセスを楽しみ、英語が好きになることで自然と英語で表現できることを目指しています。

▷WithBook English online  https://withbook-english.com/

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