小規模認可保育園の経営、収入や利益は?認可外との比較、設置基準や開設までの手順も紹介

小規模認可保育園とは、自治体の認可を受けた保育園のうち、定員が6~19人の施設です。要件を満たせば自治体から補助金を受け取ることができ、また比較的短い期間で開業することができます。
この記事では、小規模認可保育園の開業を検討している方に向けて、小規模認可保育園の概要、経営するメリット、認可保育園や認可外保育園との違いなどを解説します。
そのほか、認可外保育園経営のメリット・デメリット、小規模認可保育園を経営するための要件・設置基準、経営する際のポイントまで詳しく紹介しますので、ぜひ開業の検討にお役立てください。

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小規模認可保育園とは?

小規模認可保育園とは、平成27年4月より子育て支援の量の拡充や質の向上を目的にスタートした「子ども・子育て支援新制度」の1つで、定員6~19人、0~2歳の園児を保育する施設です。これまで認可外となっていた19人以下の小規模保育園が、新制度により保育ニーズの高い0~2歳児向けの小規模認可保育園として位置付けられ、補助金・財政支援の対象となりました。
小規模認可保育園には、保育士の配置比率などにより「A型(認可保育園分園型)」、「B型(中間型)」、「C型(保育ママ型)」の3つの設置基準が設けられています。

小規模認可保育園は利益があげやすい?経営するメリットとは

小規模認可保育園を経営するメリットについて、以下で簡単に解説します。

認可保育園は補助金が受け取れる!

認可保育園を経営する上で大きな収入源となるのが補助金です。
保育する子どもの年齢や人数に応じて支給される補助金のほか、保育所等整備交付金、家賃補助などを受け取ることができます。
保育所等整備交付金は、保育園の新設、修理、改造、整備にかかる経費や、防音壁の整備、防犯対策の強化にかかる費用の一部を補助するものです。
家賃補助は、賃貸物件で小規模認可保育園を新設する場合や、賃貸物件を改修する場合にかかる費用の一部を補助するもので、保育園を開業するまでの期間が対象となります。

小規模認可保育園は初期費用が抑えられる

小規模認可保育園には、認可保育園と比較したときに初期費用が少なく済むというメリットがあります。
預かる園児の数が少ないため、建物や配置する人員にかかる費用も抑えられます。その上で前述した補助金を受け取ることができるため、初期費用を大幅に抑えられます。
また、保育園の建築・改築にかかる期間や自治体での審査にかかる期間にもよりますが、短ければ4~5か月ほどで開業できるため、家賃など準備期間にかかる費用を抑えることも可能です。認可保育園の開業までにかかる期間は通常2~3年とされていますので、開業までの期間の短さも大きなメリットと言えます。

金融機関からの融資が受けやすい

社会福祉施設及び医療施設の整備のための貸付事業を行っている独立行政法人福祉医療機構では、小規模認可保育園を含む保育関連施設等の整備に対して令和6年まで優遇融資を行っています。
優遇融資での融資率は90%、利率は基準金利で償還期間により0.22~0.6%程度となります。また、返済期間は都市部の場合30年以内となります。事業向け融資としては1%を切る並外れた利率の低さであり、加えて優遇融資措置期間には無利子となります。
その他の金融機関でも融資が受けやすく、資金調達のハードルをかなり下げることができます。

自治体が窓口のため自ら募集しなくても園児を確保できる

認可外の保育園では保護者が直接保育園に入園申し込みするのに対し、認可保育園の入園申し込みは自治体に対して行います。小規模認可保育園に関しても同様に、自治体が窓口となります。
入園する園児の選考や入園先の振り分けも自治体にて行います。自治体は定員に空きがある園に優先的に園児を振り分けるため、自ら募集しなくても園児を安定的に確保することができます。

小規模認可保育園の利益、認可保育園・認可外保育園と比較すると?

認可保育園・認可外保育園と比較した場合の小規模認可保育園の利益について、以下で簡単に解説します。

保育園経営の実質利回りの計算方法

保育園を経営するにあたり、初期費用に対して年間でどれだけの収益が見込めるかを表すのが実質利回りです。保育園経営の実質利回りは、以下のようにしてもとめられます。

A:保育園経営の年収
収入(月額) × 12か月

B:保育園経営で得られる利益(年額)
A:保育園経営の年収 - 保育園経営にかかるランニングコスト(年額)

C:保育園経営の実質利回り
B:保育園経営で得られる利益(年額) ÷ 初期費用 × 100%

小規模認可保育園は実質利回りが高い

小規模認可保育園の実質利回りは30~40%ほどとなり、実質利回りが20~30%の認可保育園、2~5%の認可外保育園と比較すると目を見張るものがあります。初期費用を抑えた分実質利回りが高く、効率よく利益をあげることができます。

認可外保育園の経営は難しい?

認可外保育園を経営する上でのメリット・デメリットについて、以下で簡単に解説します。

認可外保育園を経営するメリット

■保育料を自由に設定できる

公費の助成を受けている認可外保育園もごく少数ありますが、基本的には民間での経営となります。一部の公費助成対象の園を除き、保育料についての規定がないため、提供するサービスに応じ、保育料を自由に設定することができます。ただし、自治体によっては保育料の上限が決められていることもあるため確認が必要となります。

認可外保育園を経営するデメリット

■自治体から補助金が受け取れない

認可保育園と異なり、認可外保育園は一部を除いて自治体からの補助金を受け取れません。自治体の子育て事業の一環として補助金の対象になったとしても、認可保育園の補助金と比べると十分な金額は得られません。

■園児を集めるための独自性が必要

認可保育園とは異なり、認可外保育園では園児の募集を自ら行う必要があります。しかし園児を確保しても、保育料の高さなどを理由に認可保育園に空きがあれば転園してしまう場合も多く見られます。
園児数を安定して確保するためには、教育、芸術、スポーツに特化するなど独自のカリキュラムを設けて他園との差別化を図らなければなりません。

小規模認可保育園を経営するための資格・設置基準は?

小規模認可保育園を経営するための資格・設置基準について、以下で簡単に解説します。

保育園開業には資格は必要ない

保育園の開業にあたっては、特に必要な資格はありません。
しかし、園長になるためには保育園が公立か私立かによって道のりが異なります。
公立保育園の場合は、保育士としての経験年数と昇格試験が必須となるため、必然的に保育士資格の取得が必要となります。また、公立保育園の保育士は地方公務員であるため、保育士資格取得だけでなく公務員試験にも合格する必要があります。
対して私立保育園の場合は保育士資格は必須ではありませんので、誰でも園長になれると言えます。しかし、園の最高責任者として必要な保育の知識やスキルが備わっていることが望ましいです。

小規模認可保育園の設置基準

■A型(認可保育園分園型)

A型(認可保育園分園型)は認可保育園分園やミニ保育所に近く、保育従事者全員に保育士資格を求められることが特徴です。以下に、国が定めるA型(認可保育園分園型)の設置基準を記します。

●定員
6~19人

●職員の資格
保育士

●職員数
保育従事者の数は、
・0歳児は園児3人につき職員1人
・1~2歳児は園児6人につき職員1人
上記に加え、保育従事者を1人加えた数になります。

●施設の面積
・0~1歳児の園児1人あたり3.3㎡以上
・2歳児の園児1人あたり1.98㎡以上

■B型(中間型)

B型(中間型)はA型とC型の中間の形態で、職員の半数以上が保育士資格を有することが定められています。職員の配置や必要面積はA型に準じます。以下に、B型(中間型)の設置基準を記します。

●定員
6~19人

●職員の資格
保育従事者の半数が保育士
自治体により、無資格者は自治体の研修を受講することが求められる場合があります。

●職員数
保育従事者の数は、
・0歳児は園児3人につき職員1人
・1~2歳児は園児6人につき職員1人
上記に加え、保育従事者を1人加えた数になります。

●施設の面積
・0~1歳児の園児1人あたり3.3㎡以上
・2歳児の園児1人あたり1.98㎡以上

■C型(保育ママ型)

C型(保育ママ型)は、自治体が実施する研修を修了した家庭的保育者が保育者となります。家庭的保育者は、保育士あるいは保育士と同等の知識及び経験があると自治体から認定された保育者を指します。以下に、C型(保育ママ型)の設置基準を記します。

●定員
6~10人

●職員の資格
家庭的保育者

●職員数
保育従事者の数は、
・0~2歳児の園児3人につき職員1人
ただし、補助者を置く場合は園児5人につき職員2人となります。

●施設の面積
・園児1人あたり3.3㎡以上

小規模認可保育園を設立する基本的な手順

小規模認可保育園を設立するにあたり、一般的な手順をご紹介します。自治体によって内容が異なることがありますので、詳しくは設立を検討する自治体に確認してください。
小規模認可保育園を設立する基本的な手順は、以下のとおりです。

  1. 事業計画を立てる
  2. 自治体から計画承認される
  3. 建物を工事する
  4. 自治体から認可を受け、開設

1.事業計画を立てる
保育園の開設場所や、保育方針を検討します。また、計画に見合う資金を確保します。この内容をもって自治体に事前相談を行いますが、事業計画内容や開設予定地、財務状況によっては自治体から断られてしまう場合もありますので、事前に必要な要件を確認しておきます。

2.自治体から計画承認される
自治体に事業計画の承認申請を行います。自治体で定期的に開かれる審査会にて事業計画が承認されると、計画承認書が発行されます。

3.建物を工事する
事業計画が承認されると、保育園施設の建築確認申請が可能となります。建築確認が終了するといよいよ工事着工となります。
工事終了後は保育に必要な備品を搬入し、自治体の現地確認を受けます。

4.自治体から認可を受ける
自治体の現地確認の際、手直しの必要があれば追加工事をします。
その後認可申請を行い、自治体での審査会にて承認が得られると正式に認可となります。
また、工事終了後すみやかに保育所等整備交付金や家賃補助の交付申請を行います。
これで晴れて小規模認可保育園の開設となります。

小規模認可保育園で適正な利益をあげるために必要なこと

小規模認可保育園で適正な利益をあげるために必要なことについて、以下で簡単に解説します。

職員の働く環境を整える

保育園を安定して経営していくためには、園児数の確保とともに職員の働く環境を整えることが重要です。通常の保育以外に、保護者への連絡や自治体へ提出する書類作成などに時間を割かれ、職員には大きな負担がかかっています。
そこで、職員の負担軽減のためにICTシステムの導入をおすすめします。
ICTシステムでは、園児の登降園管理や園児情報の管理、職員の勤怠管理、保育料の計算、その他自治体向け書類の作成など様々な機能で職員の負担を軽減することができます。

職員・保護者間のコミュニケーションも大切

質の高い保育を円滑に行うためには、職員同士や職員と保護者のコミュニケーションが重要な役割を果たします。こちらもICTシステムを取り入れることによって、連絡帳記入・閲覧をはじめ、お休みや遅刻の連絡などスムーズに行うことができます。

まとめ

小規模認可保育園は、0~2歳の園児を保育する、自治体から認可を受けた保育園です。初期費用や開業までの時間が比較的少なく済み、補助金・財政支援の対象となるなど経営するメリットが多いのが特徴です。
安定した経営と質の高い保育を行うには、職員の作業負担を軽減するICTシステムWEL-KIDSがおすすめです。

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