今回は、BKC保育サービスの森河代表に、園の特徴や園立ち上げの経緯にはじまり、システム選びや使いはじめの考え方についてなどなど、たっぷりとお話を伺いました。
前後編の全2回にてお届けします。
まずは園の特徴とこれまでの軌跡についてをお聞きした Vol.1 前編です。
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目次
園について
―― 園の理念や特徴などについてお聞かせください。
森河 様(以下敬称略):特徴としては、0・1・2歳の保育に特化した保育を22年やってきています。
また、認可外保育所、病院内の事業所内保育所、企業主導型保育事業の3施設を運営しています。
子どものカラダをつくることに関しては、裸足保育をしています、とかはあるんですけど。例えば、語学とかそういったことではなく、もっと人間の基礎を、心の方も大切にしています。
「ひとりひとりを大切にします。」というところが一番大事にしているところですね。
基本は、健康な体づくりと、人との関わり。
小さくても「一人の人」ですよ。という理念でやっています。
子育てするお母さんをサポート
あと、最近では保育に携わる者が育児支援をしなくてはならない。というような流れになっていますが、22年くらい前から、”子育てするお母さんのサポート” を考えています。
お迎えのとき、お子さんのことを話す以外にも、
「子育ていっぱいいっぱいじゃないですか?」
っていうようなことを、聞くようにもしてきました。
22年前になると、子どもを預けるっていうことを後ろめたく思う方が、まだまだたくさんいたんです。
そのころから、
「お母さん。なにやって来てもいいんだよ、ゆっくりぐっすり一回眠っておいで」
というようなこともよく言いました。
お仕事をしている方の保育だけではなくて、在宅育児の方へ向けた保育もすごく考えてやっていました。
そんなところから始まって、もちろん今はお仕事されている方のお子さんをたくさんお預かりしています。
保育園をはじめたきっかけ
―― どういった経緯で保育園をつくろうということになったのでしょうか?
森河:詳しく言うと、子どもが生まれた後に、自分の親の事業を手伝うことになり、保育園に預けようと思ったら
「そんなすぐに入れませんよ、半年先ですよ」
と言われました。
「え、半年先…」
「そんな状況か、保育園は…」
と思ったんです。
その時は、近くの保育園を回って
「ほんとに半年先ですか?」
と聞いてまわって、「じゃあ、二か月後に…」
って言ってくれるところに預けるようになって、
家業を手伝っていたんです。
家業は製造業だったんですけど、父親たちもいずれリタイアするし、どうしようかな?なんていうことも考えていました。
保育ってなんだろう?
その時、引っかかっていたんですよね。
「保育ってなんだ」って。
そこから保育士さんとお話するようになり、よくよく日本の状況と世界の状況を見ると、やっぱり、子どもは減るんだけど、保育が足りなくなることは、なんとなく感じていました。
当時、3歳以下では多くが在宅育児でした。
またそのころは、お母さんたちが仕事をする時代にちょうど移行するころでもあったと思います。
「ああ、これは保育が必要だな。」
と思いました。
その時は
「少子化になるのに、保育でやっていけるの? 」
なんていう声もあったんですけど。
逆じゃない?っていうように考えていました。
保育やってみよう
世界を見れば児童福祉ってものすごく予算を掛けておこなわれているので、先進国から言うと日本はまだまだだなと言うところがあって。
それで保育やってみよう、となりました。
―― なるほど。世の中の流れや世界も見られての決断だったんですね。
森河:でも、わかってはいましたよね。そのころちょうど、老人福祉はものすごく手厚かったんです。はじまったころでした。介護保険もスタートして。
その当時、保育所も幼稚園ももちろんあったんですけど、なにかちょっと違和感がありましたよね。
あとは社会が変わっていました。核家族が増えて、子育てを手伝ってもらえる環境が減る、という予測もありました。
―― 先を見越して、動かれたんですね。
森河:先のことはわからないですよ。でも、そんな風な感じがしたんです。
園を一緒に立ち上げた保育士さんがいまも働いてくれています
森河:ぜんぜんやったこともなかったですけど、経験のある保育士さんにしっかり付いてもらって、建物を建てる前から、少しずつ一緒に進めたんです。
実はその方がまだ今、うちで働いてくれているんです。
出産して、旦那さんのお仕事で海外に行ったりもされていたんですけども、日本に帰ってきたら、ここへ戻ってきていただけて。
「パートでもいいんでやらせて。」
と言ってくれました。
ほんとにみなさん勤続年数が長くて。感謝です。
WEL-KIDSであらためて勤続年数を見て、
「ああ、意外と勤続年数長いんだなうちの園は。」
って思ったんですね。
―― そういった情報を見るきっかけになったんですね。
森河:なりました。はい。
―― 勤続年数が長いのはすばらしいですね。 保育士さんの働きやすい環境をつくられているんですね。
森河:特に子育て世代の方に働きやすいようにしています。
3園目となる企業主導型を立ち上げたキッカケ
―― 企業主導型をはじめようとなったきっかけはありますか?
森河:この制度が平成28年に出たとき「わー!」って思いました。
制度の中身を見ると、一時保育もあったり、在宅の方に向けたものもある。
これで「資金の確保ができる 」 「私たちの目指すところを突き進める 」 と感じました。
そして、もうこれはダメもとでもいいから、申請してみよう、エントリーしてみよう!となったのがキッカケですね。
―― では、助成金が開始されてすぐに?
森河:そうですね。知ってすぐに取り掛かりました。
以前は、まずは建物を建てて、そこから仕度していくわけですよね。
ですけど、やはり、保育理念を立ててから、器を作っていくっていう方がね、やっぱり適うものができるんですよね。
なので、それが3園目になるここに、予算も得ることができると、理想の園舎ができるなーって思いまして。
―― 拡げられていったのは、他にもきっかけがあったのでしょうか?
森河:病院の方はもちろん相談されて…でした。こちらの3つ目の企業主導型についてはもう「これはやるしかないよね」っていうことで、自分発信ですね。
―― それは思い描いているところを実現できるから…ということでしょうか。
森河:そうですね。やっぱり、歯がゆいところがありましたので。
予算さえあれば、こうできるじゃないか、ああできるじゃないか、というね。
やっぱり人の確保ももちろんですけど。
園舎へのこだわりは保育士のため
―― 企業主導型で新しく園舎を建てるにあたって、どういう造りにしようとか、そういった設計のあたりではこだわりはありましたか?
森河:導線ですね。司令塔のエリアをぐるっと保育室で囲んで…というような基本的な考えが私の中にありました。
もちろん子ども達のためにキレイに、見た目もよく、素材もいろいろ考えるところではあるんですけども、一番は…
「保育士たちが保育をしやすい保育所」
これが実現すると、それだけ子どもに目がちゃんといける。
もちろん、子どものために危険がないようにという配慮もしますけども、保育側の目線はかなり重視しています。
―― まずは働く人の方から、ですね。
森河:そうですね。もちろん子ども目線も大切なんですけども、保育しやすさが最終的に子どもに影響するので。どちらが先かという話はあるとは思いますけども。
―― 新設するまでに感じた「こうしたいな」というところを実現したということなんですね。
森河:そうですね。カタチにしていけたかなというのはありますね。
もうひとつ、保育士の確保ってどの園も課題だったりするんですけど。
今、実はうちは待ってくれている保育士さんもいるくらいです。
待ってくれている保育士さんがいること
それはどういうことかというと、今ここで、0、1、2歳のお子さんをお預かりしている中で、一番やっぱり保育者として適しているのは、自分もお子さんを育てている子育て世代の保育士さんだと思っています。
そこで、自分のお子さんもいる子育て世代の保育士さんが、子育てとお仕事の両立がちゃんとできるように、シフトを組んで、お互いに助け合えるような仕組みをつくりました。
しかし、その仕組みでやると、毎日いつも同じ保育士がいる訳ではない。
保育士が変わるやりにくさは、このハード面のやりにくさにすごく影響されちゃうんですよ。
なので、器である建物をしっかりつくるということは、そういったシフトの人たちにも働いていただくため、という面もあります。
―― もう繋がってくるんですね、いろいろな要素が。保育士さんが待っていてくれる状況というのはすごいですね。
森河:求人も出してはいるんですが、ほぼほぼが紹介だったり、話を聞いてきたとか、そんな風に繋がっていて。
いま30人ほど職員はいるんですけど、ほぼほぼそのような感じです。
―― 働く人にとっても良い環境であるということが募集にも影響しているんですね。
理想の保育所
森河:そうですね。自分も、自分の子どもを育てながら、子どもが1歳のときに一番最初の園をつくって、下の子がおなかにいたかな?そんな状況ではじめました。
なので、体当たりでやってみよう!みたいなところもあったんです。
どうなっていくか…それは大変でしたよ。
なので、保育園をお母さまにとって、預けて安心できるところにしたいと考えていました。
理想がすごく最初はあって、やっていくんですけども、やっぱりいろんな壁にぶち当たりました。
でも、どういう保育所が、長続きするのか。
どうすれば、子どもたちに良くて、お母さんたちに良くて、保育士にも良くて…という状態になるのか。
それらを考えてまとめていくと、保育園は続くんだろうなというのは、ずっと思っていました。
そういうことも考えながら続けてきて、やっと少しずつ、予算もついて、出来てきてはいるのかな、とは自分の中で印象はあります。
まだまだですけどね。
導入前から勤怠管理のシステムを流用していました
保育の現場は、どんどんあたらしいことが増えますからね。
なので、こういったICTシステムは重要ですよね。
WEL-KIDSを導入する前に、いわゆる勤怠管理のシステムを、保護者様にも使ってもらってカードでぴっぴっとやっていたんです。
そのころは会社で使うシステムなので、部署をクラスに置き換えて…とやっていたんです。
そういうことをやっていたので保育ICTシステムが出はじめたころは
「保育に特化したシステムがようやくできてきたー!」
という感じでした。
―― 工夫して以前からシステムを使われていたんですね。
ようやく保育専用に出会えました
森河:そうなんです。やはり、人件費もそんなにない中で、やっていかなくちゃならなかったので。
1か月に利用人数あたりで利用料が掛かっても、事務のために一人経理の方をつけるよりも安いんですよ。管理が簡単、確実ですし。
そういうことをやっていて、で、その後に出会ったのがWEL-KIDSさんです。
―― ようやく保育専用のシステムがでてきた、というわけですね。
森河:実は私は、もともとは保育関係の仕事ではなかったんです。サービス業をやっていたんです。
なので、いろいろなシステムが世の中にあることは知っていて、なんで保育の現場では煩雑な仕事をしているのに、システム化がされてないのか?って、すごい最初から思っていたんですよ。予約管理もそうですけど。
そんな疑問から、システム化の検討がはじまっていました。
後編へ続く
勤怠管理もおまかせ!保育専用のICTシステム
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