元園長と考える“ほごしゃしえん” 第9回:新年度に向けて今からできる!保護者との信頼貯金の作り方

こんにちは、田村ますみです。

1月って、なんだか気持ちが引き締まる時期ですよね。そして、保育士の皆さんにとっては、そろそろ「新年度」が頭をよぎる時期でもあるんじゃないでしょうか。

先日、ある主任さんからこんな相談がありました。

「4月の新年度に向けて、今から準備しておくことってありますか?特に、新しい保護者との関係づくりで、スムーズに始められるコツがあれば知りたいです」

あー、いい質問ですね!

実は、この1月〜3月の「準備期間」に何をするかで、4月からの保護者との関係性って、驚くほど変わるんです。 今日は、新年度に向けて今からできる「保護者との信頼貯金の作り方」をお伝えしますね。

なぜ今から準備が必要なのか?

「4月から頑張ればいいんじゃない?」って思いますよね。

でも、実は違うんです。

4月は「余裕がない」から
4月って、新しい環境、新しい子どもたち、新しい保護者、すべてが「初めて」で、正直バタバタですよね。その状態で「保護者との信頼関係を築こう!」と思っても、なかなか上手くいかないんです。

「準備」があると心に余裕が生まれる
でも、1月〜3月に準備しておくと、4月に「あ、これやっておいてよかった」って思える瞬間がたくさんあります。準備があると、心に余裕が生まれて、保護者一人ひとりとじっくり向き合えるんです。

「信頼貯金」は一日にして成らず
保護者との信頼関係って、一日で作れるものじゃありません。小さな積み重ねが「信頼貯金」になって、いざという時(困ったことがあった時、相談したい時)に、保護者が「この先生なら」って思ってくれるんです。 だから、今から準備することが大事なんですね。

今できる「信頼貯金」3つの準備

じゃあ、具体的に何を準備すればいいのか?3つのポイントをお伝えします。

準備1:「自分の保護者対応パターン」を振り返る
まず、今年度の保護者対応を振り返ってみましょう。

振り返りシート(簡単でOK)

うまくいったこと ・どんな場面で保護者が笑顔になってくれた? ・どんな声かけで保護者が安心してくれた? ・どんな関わりで信頼関係が深まった?

うまくいかなかったこと ・どんな場面で困った? ・どんな時に「あ、失敗した」って思った? ・保護者との距離が縮まらなかった原因は?

来年度に活かしたいこと ・この経験を次にどう活かす? ・何を変える?何を続ける?

この振り返りをするだけで、4月からの対応が格段にレベルアップします。

私も園長時代、毎年1月に必ずこの振り返りをしていました。そして、「今年はこういう保護者対応を大事にしよう」って自分なりのテーマを決めていました。

準備2:「保護者対応フレーズ集」を作る
お迎えの時、連絡帳、保護者会、色んな場面で使える「自分の言葉」をストックしておくと、めちゃくちゃ役立ちます。

場面別フレーズ集(例)
【初対面・自己紹介】 「○○組を担任します、△△です。お子さんと毎日楽しく過ごせるのを楽しみにしています。わからないことや心配なことがあったら、いつでも声をかけてくださいね」

【朝の受け入れ】 「おはようございます!今日も元気ですね」 「おはようございます。今朝はどんな様子でしたか?」

【お迎え時(通常)】 「お疲れ様です!今日の○○ちゃん、こんな素敵な場面がありました」 「お疲れ様です。今日も元気いっぱいでしたよ」

【お迎え時(トラブルあり)】 「お疲れ様です。今日、○○くんがお友達とぶつかる場面があったんですが、その後がすごくて…」

【保護者が心配そうな時】 「心配になりますよね。でも、○○ちゃんは園でこんな姿を見せてくれてますよ」 「気になっちゃいますよね。一緒に見守っていきましょう」

【保護者を労う時】 「お仕事と育児の両立、本当にお疲れ様です」 「いつも○○ちゃんのこと、大切に育てていらっしゃいますね」

こういうフレーズを、自分の言葉で10〜20個くらい用意しておくと、4月からの対応がスムーズになります。先輩保育士の言葉を真似してもいいし、本やネットで見つけた言葉をアレンジしてもOK。大事なのは「自分が言いやすい言葉」にしておくことです。

準備3:「保護者理解」の引き出しを増やす
保護者って、本当に色んなタイプの方がいますよね。

・人懐っこくて話しやすい保護者
・ちょっと距離を置きたそうな保護者
・心配性で質問が多い保護者
・忙しくてバタバタしている保護者

それぞれのタイプに合わせた対応ができると、信頼関係がグッと深まります。

今からできること:本を1冊読む
保護者支援、コミュニケーション、子育て支援…そんなテーマの本を1冊読んでみてください。1冊読むだけで、「あ、こういう視点があるんだ」「こういう関わり方もあるんだ」って、引き出しが増えます。読書が苦手なら、YouTubeやポッドキャストでもOK。今は色んな情報源がありますからね。

今からできること:研修に参加する
1月〜3月は研修のチャンスです。園内研修でも外部研修でも、保護者支援のテーマがあれば参加してみてください。新しい視点や具体的な方法を学ぶことで、4月からの自信につながります。

現在のクラスの保護者との「締めくくり方」が未来を作る

実は、今のクラスの保護者との「締めくくり方」が、あなたの保育士としての評判を作るんです。

「最後まで丁寧」が信頼を作る
3月って、進級・卒園で忙しいし、バタバタしがちですよね。
でも、最後まで丁寧に保護者と関わることが、すごく大事なんです。
なぜなら、保護者って「最後の印象」を強く覚えるから。

「あの先生、最後まで丁寧だったな」 「あの先生、うちの子のこと、最後まで大事にしてくれたな」そう思ってもらえると、その保護者は園内で「あの先生、いい先生だよ」って他の保護者に話してくれるんです。

「ありがとう」を伝える
3月には、保護者に「ありがとう」を伝えましょう。
「1年間、○○ちゃんの成長を一緒に見守らせていただいて、ありがとうございました」 「お母さんとの連携があったからこそ、○○くんがこんなに成長できたのだと思います」

こういう言葉って、保護者にとって一生の宝物になります。そして、そういう締めくくりができる保育士は、新年度も保護者から信頼されやすいんです

「新年度に向けて、園全体で準備したい」と思ったら
私の研修では、新年度に向けた「保護者との信頼関係づくり」を、園全体で学んでいただけます。

□ 新年度スタートをスムーズにしたい □ 保護者対応の園内統一を図りたい □ 新人保育士に保護者対応を教えたい □ 保護者との信頼関係を深めたい

一つでも当てはまったら、お気軽にご相談ください。

プロフィール:田村ますみ(たむらますみ)

保育園の育成トレーナー・研修講師として、保育士のスキルアップやチーム力向上を支援。園長経験を活かし、現場で役立つ実践的な研修を行う。自身の子育てや、不登校の子を支えた経験を通じ、保護者対応や子どもの心に寄り添う関わり方を伝えることが得意。一般社団法人「チェリッシュ」代表として、子育て支援にも尽力。

コーチングや心理学の専門資格を持ち、保育士が自信をもって子どもと向き合える環境づくりをサポートしている。

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