
「先生、最近この子イヤイヤ期がすごくて…もう私、限界で…」
「全然寝てくれなくて、毎日ヘトヘトなんです…」
こんなふうに、保護者の方がぽつりとこぼす一言。みなさん、日々たくさん受け取っていると思います。でも正直、「どう声をかけたらいいかな…」とか、「なんて返したら相手の気持ちが軽くなるかな」って、悩むことありませんか?

私も保育現場にいた頃、毎日のようにそんな場面があって、「正解なんてわかんないよ〜」と何度も思っていました。でも、あるとき気づいたんです。大切なのは“うまい返し”じゃなくて、“あったかい気持ち”なんだって。
今日は、そんなあったかさを伝えるためのちょっとした「保護者対応のコツ」をシェアさせてくださいね。気楽に読んでみてください♪
目次
「共感」よりも、まずは「認める」
よく「共感が大事」って言われますよね。もちろんそれも大切なんだけど、実はその前にもう一つ。まずはその人の“頑張り”をちゃんと認めてあげることが、とっても効果的なんです。
たとえば、
「夜中も起きてお世話してるなんて…ほんとに頑張ってるんですね」
「仕事しながら育児もして、すごいですよ」
そんな風に伝えると、相手の顔がほっとゆるむのがわかるんです。「誰にもわかってもらえない」って思ってる人ほど、この一言で安心してくれるんですよね。
アドバイスより「一緒に悩む」スタンスで
保護者の方に相談されたとき、「何かアドバイスしなきゃ!」って焦ること、ありませんか?
でも実は、保護者さんたちって“正解”が欲しいんじゃなくて、“わかってくれる人”が欲しいだけだったりするんです。
だから、こんな言い方がとっても効果的↓
「うちのクラスでも、そういう子いますよ~。大変ですよね」
「私も子どもと関わってて、似たようなことで悩んだことありますよ~」
“私も一緒”って感じがすると、相手もすごく安心するんですよね。アドバイスは、もし聞かれたら少しずつで大丈夫。まずは、寄り添ってあげること。それが一番の支援になります。
「聞いてもらえるだけで救われる」ってこともある
保護者対応って、「話を聞く」が9割って思ってもいいかも。
保護者の方が話してくれるのって、「解決したい!」ってより、「ただ誰かに話したかった…」ってことがすごく多いんです。
なので、
「それはしんどいですね…」
「そんな日が続いたら、心も疲れちゃいますよね」
って、そっと受け止めてあげるだけでもすごく意味があります。アドバイスなんていらない時もあるし、“話をちゃんと聞いてもらえた”ってだけで、涙ぐんじゃう方もいるくらい。
保護者対応に悩む自分も「よくやってるよ」って言ってあげよう
最後に、これだけは伝えたいなって思うのですが…
保護者のことを一生懸命考えて、「どう言えばよかったかな」って悩んでる時点で、すっごく素敵な保育士さんです。毎日たくさんの子どもと向き合って、その上で、保護者の心にも寄り添おうとしてる。それって、簡単なことじゃないですよね。
だからこそ、たまには自分にもこんな風に言ってあげてください。
「私、今日もがんばったよね」
「完璧じゃなくても、十分やれてるよね」
あなたが自分を大切にできることが、きっと保護者の心にも、じんわり伝わっていくはずです。

おわりに
保護者支援って、難しいことじゃなくて、ちょっとした“心のやりとり”の積み重ね。
うまく言えなくても大丈夫。「この先生、なんか話しやすいな」って思ってもらえることが、いちばんの信頼関係の土台です。
もし今、「これでよかったのかな?」って悩むことがあったら、その気持ちを大事にしているあなた自身を、どうか誇りに思ってくださいね。
そして…いつでもここにいますので、「ちょっと聞いてほしいな」って時は、私にもこっそり話しかけてください♪
あなたの優しさは、ちゃんと届いてますよ。
プロフィール:田村ますみ(たむらますみ)

保育園の育成トレーナー・研修講師として、保育士のスキルアップやチーム力向上を支援。園長経験を活かし、現場で役立つ実践的な研修を行う。自身の子育てや、不登校の子を支えた経験を通じ、保護者対応や子どもの心に寄り添う関わり方を伝えることが得意。一般社団法人「チェリッシュ」代表として、子育て支援にも尽力。
コーチングや心理学の専門資格を持ち、保育士が自信をもって子どもと向き合える環境づくりをサポートしている。