保育園の遠足の狙いとは?事前準備や成功のポイントをご紹介

保育園の遠足の狙いとは?事前準備や成功のポイントをご紹介

こんにちは。「ウェルキッズフォト」ライターチームです。

保育園の遠足は、子どもたちにとって楽しみなイベントです。遠足イベントの成功は、事前準備と当日の運営にかかっています。

この記事では、遠足の行き先や準備にお悩みの先生に向けて、遠足のねらいから遠足の行き先の選び方、準備の流れ、当日の流れなどについて、遠足を円滑に進めるためのポイントをご紹介します。

遠足のねらいとは?

遠足はただのお出かけではありません。子どもたちの社会性を育み、自然との触れ合いや新しい環境を通じて多くの学びを与えられる大切なイベントです。保育園の先生としては、遠足における経験が子どもたちの成長にどのように役立つかを理解して計画立てることが重要です。

以下では遠足のねらいについて紹介します。

共通のねらい

どの遠足においても、共通のねらいとして主に以下の項目があげられます。

  • 交通ルールを学ぶ
  • 団体行動のルールを学ぶ
  • 外でのマナーを学ぶ
  • 外でお弁当を食べる楽しさを知る
  • いつもと異なる環境で友だちや先生と親睦を深める

季節・行き先別のねらい

季節や行き先別で、主に以下のねらいがあげられます。

  • 気候や自然の移り変わりを感じる
  • 草木や生き物にふれて自然に親しむ
  • 広い場所で思い切り身体を動かす
  • バスや電車などの公共交通機関での移動を体験する

遠足の時期

保育園の遠足は、一般的に春(5~6月)と秋(9~10月)の外出しやすい時期に行われます。

春は入園や進級直後の時期であり、子どもたちが新しい友だちと仲良くなったり、保護者同士の交流を深めたりする絶好の機会です。春の親子遠足は、先生にとってもまだ交流を十分に図れていない親や子どもとコミュニケーションを取れる機会となります。

また、秋も遠足を行うベストシーズンです。気候が安定しているため、子どもたちと保護者、先生が交流するのに適しています。秋の遠足の行き先として、動物園や水族館、科学館などの施設が選ばれることが多いです。

遠足に参加する対象

子どもたちだけで行く遠足では、通常、乳児クラスは参加しません。まだ先生の手厚いサポートが必要な乳児クラスの子どもたちは、安全管理や保護者との連携が難しく、遠足のねらいに該当しないためです。

幼児クラスは遠足に参加するのが一般的ですが、行き先や目的によって参加する年齢クラスが異なる場合があります。

遠足の移動方法

保育園の遠足は、目的地や参加人数によって移動方法を選びます。以下では移動方法と利用する際のポイントを解説します。

徒歩

近隣の公園などの歩いて行ける場所への遠足では、先生が子どもたちを引率して安全に目的地へ向かいます。子どもたちは交通ルールを守る大事さや、大勢で移動する際のふるまいを学びます。

公共交通機関

遠方の場所へ行く場合はバスや電車を使います。子どもたちは、静かに乗ることや、乗るときは一列に並び、降りる人が先に降りるなどのマナーを学びます。

観光バス・園バス

観光バスや園バスを使う場合、バス内で盛り上げるレクリエーションを用意することが大切です。クイズ形式のゲームなどを通じて、子どもたちの興味を引きましょう。

また、乗り物に酔いやすい子どももいるので、長時間バスに乗る場合は子どもたちの体調に気を付けて、適切にトイレ休憩をしましょう。

遠足の行き先選びのポイント

遠足の行き先を選ぶのは大変ですよね。以下では、行き先選びのポイントについてご紹介します。

移動時間は30~40分におさめる

遠足の行き先までの移動時間が長いと、行き先につく前に子どもたちが疲れてしまい、遠足を十分に楽しめないかもしれません。片道30~40分以内で行けるような場所を選びましょう。

子どもが利用できるトイレがあるか

子どもたちだけで行く遠足では、行き先の施設やその近くに子どもが利用できるトイレがあるところを選びましょう。

また、親子遠足で乳児クラスも参加する場合は、オムツ交換や授乳できる場所があるか確認しておきましょう。

雨を避けられる場所があるか

遠足当日に急な雨が降る場合もあるので、雨除けできる場所があるか探しておくと良いでしょう。大きな公園や広場では、屋根付きの休憩スペースが用意されていることが多いです。

注意点として、施設内にある独立した休憩所は、定休日などにより閉鎖されている場合もあるので、遠足の日に利用できるかよく確認しておきましょう。

十分な広さがあり、人が多すぎない場所を選ぶ

子どもたちだけで行く遠足では、子どもたちの状況を見渡せる場所を選ぶと良いでしょう。

安全管理の他にも、子どもたちが自由に遊んだり、レクリエーションをしたりするには、広さがあって人が多すぎない場所が便利です。

行き先によっては、イベント開催で人が多く訪れる可能性もあるので、行き先のイベントスケジュールを確認しておきましょう。

遠足の準備の流れ

保育園の遠足準備の流れ

保育園の遠足を成功させるには、事前の準備が大切です。以下では、遠足における一般的な準備の流れをご紹介します。

日程・行き先を決める

まずは、遠足の日程と行き先を決めます。親子遠足の場合は、保護者が参加しやすい日程にすると良いでしょう。行き先は、参加する年齢クラスや交通手段などを考慮しながら決めると良いでしょう。

施設を利用する場合は、下見の日および遠足日に利用できるか、定休日と利用時間を確認します。入場料が必要な場合は、チケットの購入方法や団体割引があるかなども調査しておきましょう。人気の施設は予約がどんどん埋まっていくので、早めに予約をしておきましょう。

また、雨天の場合はどうするかも決めておきます。雨天時は中止または行き先変更する場合は、いつまでにその決定をするかをあらかじめ決めておきます。

保護者は遠足のためのお弁当作り・準備などもあるので、雨天のスケジュールは保護者にも知らせておきましょう。

下見を行う

遠足の行き先が決まった後は、行き先の下見をします。下見では主に以下のポイントを確認します。

  • 行き先までの道順・所要時間
  • 移動経路の安全確認
    • 徒歩移動の場合は、道路の状況や交通量も確認
    • 電車移動の場合は、乗る車両も確認
    • バス移動の場合は、子どもたちがバス待ちできる場所を確認
  • 行き先施設の利用開始・終了時間
  • 行き先施設の入り口・出口
  • 道中や行き先で、子どもたちが使えるトイレ・手洗いの場所
  • 親子遠足の場合は、おむつ交換や授乳ができる場所
  • 落下の可能性や危険物があるなど、注意すべき場所
  • 子どもたちが遊ぶ場所・レクリエーションできる場所
  • お弁当を食べる場所
  • 集合写真を撮る場所
  • 日除け・雨除けできる場所
  • 緊急時や災害時の連絡手段、避難経路

当日の流れ・先生の役割・持ち物を決める

遠足当日スムーズに行動できるように、当日の流れや先生の役割分担を決めておきます。同時に、当日の持ち物もリストアップしておきましょう。

以下に遠足の流れの一例を紹介します。

  1. 集合
  2. 出発・移動
  3. 行き先に到着
  4. 行き先の施設で見学・遊び・休憩
  5. お弁当・自由時間
  6. 集合写真の撮影
  7. 出発・移動
  8. 解散

また、先生の主な役割分担も以下にご紹介します。

  • 引率係:
    移動時に子どもたちの先頭に立って引率します。

  • 誘導係:
    移動時に子どもたちが列から逸れたり、はぐれたりしないよう誘導します。

  • スケジュール管理係:
    遠足のスケジュールに沿って動けるように声かけや時間確認を行います。

  • 施設や乗り物の対応係:
    行き先の施設予約や、電車・バスの予約・チケット購入などを行います。

  • 救急係:
    体調不良やケガをした際に対応できるように準備します。

  • 点呼係:
    子どもたちの人数確認や、集合時に点呼します。

  • 写真係:
    遠足を楽しむ子どもたちの姿や集合写真を撮ります。

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しおりを作る

遠足のスケジュールが決まったら、しおりを作りましょう。しおりは、遠足の目的やスケジュールを伝えるとともに、子どもたちが安全で楽しい遠足にするためのガイドラインとなります。

しおりには主に以下の内容を記載します。子どもたちが楽しみになるような内容や、注意事項を記載することがポイントです。

  • 日程
  • 行き先
  • 当日のスケジュール
  • 服装、持ち物
  • ルールや注意事項

他にも、目的地に関連したイラストや季節のイラストで装飾し、ワクワクするようなしおりに仕上げるのもおすすめです。

レクリエーションを決める

バスの中や目的地でレクリエーションを行う場合は、どんなことをするか決めておきましょう。

バスの中では、子どもたちが座ったまま楽しめる遊びが良いでしょう。

  • クイズ
  • 歌をうたう
  • 手遊び
  • 手品

などが人気です。

また、屋外では場所を活かしたり、体を動かしたりする遊びがおすすめです。

  • ハンカチ落とし
  • 花やドングリ探し、宝探し
  • 鬼ごっこ
  • なわとび

などが人気です。

保護者へ知らせる

遠足について、しおりに記載している内容の他、保護者のみに知らせたいことがあれば、早めにプリント等で伝えておきましょう。

  • 費用、集金等について
  • 緊急連絡先
  • 災害時の行動

などを知らせておくと安心です。

また、お弁当や水筒などの特に忘れると困るものは、前日にも口頭で伝えておきましょう。

持ち物を準備する

遠足に向けて、持ち物を準備しておきましょう。以下に、クラス共通の持ち物と先生個人の持ち物をまとめました。ぜひ参考にしてください。

クラス共通の持ち物

  • 救急セット(ばんそうこう、消毒液、包帯など)
  • 子ども用の予備の着替え(服、下着、靴下)
  • タオルとウェットティッシュ
  • ビニール袋(汚れた物やゴミを入れるため)
  • 日焼け止めと虫除けスプレー
  • 紙とペン(緊急時のメモ用)

先生個人の持ち物

  • 緊急連絡先リスト
  • 携帯電話
  • 応急処置キット
  • 予備の衣類
  • 日焼け止め
  • 帽子
  • タオル
  • 手袋
  • 水筒
  • おやつ
  • お金(緊急時用)

遠足当日の流れ

保育園の遠足当日の流れ

遠足当日は、あらかじめ決めていたスケジュールに沿って行動します。

  1. 集合
  2. 出発・移動
  3. 行き先に到着
  4. 行き先の施設で見学・遊び・休憩
  5. お弁当・自由時間
  6. 集合写真の撮影
  7. 出発・移動
  8. 解散

園バスで移動時の過ごし方

遠足の目的地まで園バスや観光バスで移動する場合は、子どもたちが座りながら楽しめるレクリエーションを準備しておきましょう。以下にレクリエーションの例を紹介します。

クイズ

生き物や食べ物、身近なものに関するクイズを出してみましょう。

「○○なものは、な~んだ」「○○が××なのは、本当?」「〇〇の答えは何番かな?」など、答え方にもバリエーションをつくると、子どもたちも飽きずに楽しめます。また、遠足に参加する子どもたち自身がそれぞれクイズを考えて出し合う形式も良いですね。

なぞなぞ

「パンはパンでも食べられないパンはな~んだ!」などのなぞなぞはいかがでしょうか。

子どもたちが好きなテーマや遠足の目的地にちなんだテーマのなぞなぞを出して盛り上げてみましょう。

しりとり、連想ゲーム

かんたんにできる言葉遊びとしてしりとりや連想ゲームも人気です。「生き物」「食べ物」などテーマを決めて遊ぶ他にも、文字数を制限したり、音楽のリズムに合わせたり、自由にルールをつくってアレンジし、いつもと違ったルールで遊ぶのも楽しいです。

手遊び

バスの中では上半身だけでできる手遊びが良いでしょう。先生の歌や音楽に合わせて手をたたいたり、形を作ったりと簡単にできます。子どもの年齢に合わせて、左右の手で違う動きをするなど難易度を調整してみましょう。

成功のポイント

保育園の遠足を成功させるために、以下のポイントを押さえましょう。
各ポイントについては、上記でくわしく紹介しています。

  • 下見や事前準備をしっかり行う
  • 往復路や目的地における安全性を確認する
  • 雨の日のスケジュールも立てておく
  • 先生の役割分担を決めておく
  • 緊急時の行動について想定しておく

まとめ

保育園の遠足は子どもたちにとって、普段とは違う場所で活動する楽しいイベントです。遠足で一番大事なのは子どもたちの安全です。当日の環境変化や、子どもたちが想定外の行動をする可能性も考慮して、しっかりと事前準備を整えておくと、いざという時も安心です。子どもたちのみでなく先生にとっても楽しい思い出になるような、遠足の計画に取り組んでみましょう。

また、遠足での子どもたちの様子をぜひ写真や動画に撮って、保護者に共有しましょう。子どもたちが自然と触れ合ったり、外でお弁当を食べたり、普段とは違う環境の中で遊んでいる生き生きとした表情や動きは、すてきな思い出になります。

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